20代の頃、僕の先輩が、「俺がインストラクター(新入社員の教育係)をやる時、飲み会のマナーで教えるのは、人の酒がなくなったら注げ、という事だけだ」と言っていた。
これを聞いた時、なかなかうまい事を言うな、と思った。
これを聞いた時、なかなかうまい事を言うな、と思った。
その先輩は、「宴席の時、同じテーブルで飲んでいる人間のグラスが、半分になったら注ぐように」と若手に指導していた訳だ。
非常にシンプルな指導だが、そうすると、宴会の間中、全体に目を配る様になる。
そうすれば、他の気配りも自然とできてくるものだ。
宴会で気をつけなければいけない事は、言い出せばきりが無いのであろうが、あれこれ言っても、言われる方は頭に入らない。
分かりやすい一言で伝える、というのも技術だ。
この先輩の発言に対する人の反応は様々だが(反発する人間もいる)、こういうシンプルな事(宴席で気が配れるか、会議の時に、参加者を均等に見て会話ができるか etc)ができる人間は、仕事ができる確立も高い様な気がする。逆もまた真なり。
これは、社会人生活二十数年で、たくさんの人を見てきた経験値。
仕事は様々な要素(判断力、分析力、話術、調整力などなど)が絡み合ってくるのだが、少なくとも、人といる時に、周りが見えなくなってしまってはだめ(能力以前の問題)という事であろう。
目配り、気配りは社会人の基本だが、言うは易いし実行は難し。
特に、酒が入った時。
宴会は、終わるまで相手も自分も楽しめるように、緊張を持続しなくてはいけない。
気の緩みで、一回の宴会で信用をなくす事もある訳だ。
気をつけねばいけないな、と思うことしきり。