復帰早々仕事に追われる

今日(日曜日)から活動開始。
9月6日のみずほ総研の講演会レジュメ作り。

また6時間の講演会で、聴講料もそれなりに高いので、レジュメを充実させねばならず、今日の昼から12時間がかりで(ブレークはずいぶんはさんでいるけれど)作業。
過去の講演のレジュメや、執筆原稿を使える部分はあるのだけれど、そう簡単に仕上がるボリュームでもない。
本日の作業で45ページ分完了。
あと数枚加え、PPTを作って(もらって)完成という感じ。

復帰早々飛ばし過ぎだ。
ただ、目先にぶら下がっていた作業が、これが終わればひと段落するので、その意味では気分が良い。

因みに、本日レジュメ作りをしている、みずほ総研セミナーの詳細はこちらです

(思わぬ法的トラブル・不測の税支出を避けるために)完全網羅!中国拠点の開設・組織変更・撤退の実務。こんな時どうする?多様化する投資形態・再編パターンに応じた必須ポイントを実践解説
と題して、進出・撤退、組織再編等を、6時間かけて解説します!


思いがけぬ休暇

先週、軽い手術をするために、1泊2日で入院。
軽いとはいえ、術前の仕事は制限されるし、術後はそれなりの痛みもあったので、観念して数日休暇。
日本がお盆休みで、相談も少なかったのが幸いした。

ただ、普段は、デスクに座っていない時でも、いつもブラックベリーでE-mailをチェックする生活なので、ブラックベリーを2日間オフにできた事で、精神面では随分くつろいだ。
病院で横になっている時は、変な話だけれど、過去十数年ないようなさわやかな気分で、何故かふと、20代の頃の台湾留学時代を思い出した。

そんな感じで、瓢箪から駒が出た感じの休暇。
ほんの数日だったけれど、メンタル面も充実できたし、今日からまた本格稼働。
ついでに言えば、過去半年で、数Kg体重が増えてしまっていたので、これを落とせたのも思いもよらぬ収穫だった。

必死さ

前の会社にいた時に、「自分はこんなに働いているのに評価されない」と嘆いている人はたくさんいたし、逆に、「日本人は、量働く事だけを評価する。これだけ効率よく業務しているのに、何故評価しないんだ」と不満を漏らす人間(香港人)もいた。
会社員というのが、会社人生、ひいては自分の人生が、組織からの評価に依存せざるを得ない以上、上司との相性によって、運不運が分れる事は多分にあり、こう嘆きたくなるのは、ある意味自然な事だ。
では、独立すれば、人の目から逃れられるか、というと、決してそういう訳ではない。

たとえば、僕の場合も、起業した今でも、顧客の目や部下の目は気になるもので、のんびりできるようにはならない。
会社員時代とストレスがどうちがう、というのは一概には言えないが(どちらも大変)、会社員時代の評価は、まだ雇用関係の中で行われるものであり、上司と仲が良いかどうかはさておいて、カテゴリー的には仲間内、という事になるので、あまり極端な事にはなりにくい。
一方、ビジネス関係(会社対会社)では、信頼されなければ、仕事が来なくなって終わりなわけだから、ある意味、会社員時代より厳しいものだ。

先日、香港で、コンサルタント業の先輩(やはり会社員から起業独立した経緯有り)が、「独立して仕事をしていると、信用を守るために、深夜までかかってもクライアントに返信するでしょう」と言っていたが、まさにそんな感じである。

残業しなくても、休日に働かなくても、誰にも怒られないし、逆にしても褒めてもらえない。
ただ、周りからの信頼を守るためにどうするかを、何時も考える事になるし、それが、自分を動かす事になる。
独立すれば、必死さを無言で伝える事が、信頼を得る重要な要素であり、それはパフォーマンスではない。
ただ、これは必ずしも独立した場合だけでなく、個人対個人でも同じ事だし、ある意味組織の中でも同じことが言えるであろう。

必死さ、覚悟を人に感じさせられるかが、自分が成長できるかどうかを分ける、大きなポイントのひとつになるのは確かだと思う。

配当送金手続・続報

2011年度の配当に関する送金手続の話を先月書いたが、その後、広州からは無事送金受領。
上海は、もう一息といったところ。

双方、違う問題が生じた訳だが、ほぼ同じタイミングの送金となりそう。
広州で生じたのは、あと1年有効期限がある、租税条約(香港と中国本土)適用の事前登記証の取り直し(広州市天河区税務局のシステム変更のため)。
上海は、外高橋保税区税務局の人事異動による審査の遅れ。

ただ、最初言われたよりは、業務はスムーズに進めてくれたし、香港・中国の租税条約適用の事前登記も2週間程度で発給された。
香港・中国の租税協定の恩恵は実際には享受できない(事前登記証は発給されない)、と言っていた方がいたが、そんな事はない。
僕の会社の実例では、上海で2010年に、広州では2010年と2012年に手続をしたが、まったく問題なく事前登記ができ、軽減税率(配当は5%)が適用できた。
つまるところは、香港で実態のある活動を行っていれば問題ないという事だ。

因みに、広州と上海の差が出たのは、最終的には銀行手続の差。
広州では、三井住友銀行で手続をしたが、担当者の方がオフィスまで来てくれ、即日手続は完了。翌日には、香港で入金確認できた(同一銀行間の、国際間人民元送金)
上海では、先週火曜日に、中国銀行で手続をしたのだが、書類確認をすると言ったきりなしのつぶて。
金曜日に督促したら、「来週月曜日に確認して電話する」という返答だったとか。

中国銀行と邦銀のサービスと業務効率の差が有りすぎる。
中国人の友人に聞くと、中国銀行が特に悪くほか(工商銀行など)はもっとまとも、という事だがどうだろう。
上海側の銀行対策を、ちょっと考えねばならない。

もうすぐ500回

昨日の午後便で上海から香港に移動。
飛行機が2時間遅れて、どっぷりつかれた。
ただ、ビジネスクラスにランクアップされたので、仕事がはかどった(食事はしなかった)。
待合室と機内、更には、香港到着後のエアポートエクスプレスで、「NNAの連載原稿」、「三井住友コンサルティングの原稿」、「9月末に出版予定のPE本の前書き」、「ブログ原稿」を書き上げ、クライアントの方からの質問回答もずいぶん済ませた。
これで、精神的に楽になった。
数日前、連載原稿、目先の3回の講演会のレジュメ作成、その他の締切が迫っているので、夜中にプレッシャーを感じて寝付けなくなってしまったので。
今日は、PE本のゲラ構成と、香港での講演会のレジュメ作成だ。
ひとつひとつこなしていこう。
仕事があふれていても、ひとつひとつこなしていけば、つかの間でも楽になる。

NNAの連載原稿は、明日が498回なので、8月末に500回となる。
2002年1月からの連載なので10年半。
毎週毎週、一回も落とさずによく書いているなと思うと感慨深い。
毎週、締切に追いかけられるのはつらいが、新しいビジネス動向を、この様な感じで原稿にする事で、自分の中でも咀嚼ができるため、仕事上の助けにもなっている。
強制力がないと、ここまで必死になってピックアップできない。

500回に達成する8月末と言えば、2008年に丸紅を退職し、起業した時期。
起業丸4年達成(5年目突入)にちょうど重なるのも、なにやらうれしい偶然だ。

マイレージとディスカウントチケット

毎月8~10回飛行機に乗るので、年間では100回程度となる。
そんな話をすると、40~50%の確率で、「マイレージがたまりますね」と言われるが、ディスカウントチケットばかり使っているので、実はあまりたまらない。
おまけに、最近よく使う東方航空格安チケットは、マイレージもつかないし、搭乗実績にもならない。
結局、マイレージでもらえるチケットは、1年間で、日本・香港往復2~3回分程度。
それも、キャセイ航空のクレジットカードをフルに使ってだ。

年間100回も飛行機にのれば、バス移動と同じような感覚だし、飛行機の移動時間も長くて5時間(日本⇔香港)程度なら、安さ優先に走るのは、ある意味自然の成り行きだ。
使用するチケットによって、年間100~200万円程度は簡単に変わってくるし、ビジネスで移動すれば、500~600万円は経費追加となる。
ビジネスに乗るよりは、その分利益を増やして配当をもらった方が、個人的にはありがたい。
実際には、交通費を浮かした分、人件費やその他経費が増えてしまい、理屈通りの配当収入増にならないのが辛いところだが。

ビジネスで移動できる様になるのは、飛行機搭乗回数を年間20~30回くらいに抑える事が出来る様になった時か、フィー総額を2倍以上にできた時であろう。
何年かかるかな・・・

サービスに対する増値税の相談

最近、サービスに対する増値税課税(一部サービス項目の営業税課税から増値税課税への切り替え)のご質問が多い。
上海では、2012年1月1日より既に切り替えが実施されているが、財税「2012」73号により、北京市は2012年9月1日より、江蘇省、安徽省は2012年10月1日より、福建省・広東省は2012年11月1日より、天津市・浙江省・湖北省は2012年12月1日より切り替えが実施される事が決定した事が要因であろう。
上海以外の企業も、他人事という訳にはいかなくなってきたもの。
この様な形で拡大してきているという事は、数年後に、流通税は増値税に一本化(営業税は廃止)される方向にあると考えてよいのであろう。

二重課税を排除すべく、流通税の一本化をすること自体は良い事であるが、現状を見てみると、
・ 物流業の税率が、3⇒11%に大きく切りあがった。
・ ゼロ税率、免税という、輸出の特例に関する対応が、現時点では有効に機能しているとは思えない(物流業は、国際物流では増値税の輸出還付が受けられるため、税率が高くなっても損をしないとう前提であろうから、これが有効に機能しなければ大問題だ)。

という問題がある。

また、税務理論から言えば、営業税はフィーの受領者が納付する税金。増値税は、顧客に転嫁する税金であるが、実際のビジネスはそんなに簡単に割り切れるものではなく、
・ 今までの利益をベースにして価格調整や、税金の負担者の再取決めが行われる。
・ 税制変更のメリットがある場合、そのメリットをどの様に分け合うか、という企業間の交渉が始まる。
という状況となる。

制度が変われば、この様な泥臭い問題が必ず発生する。
上海地域は、既に半年以上が経過しているので、議論がひと段落した状況であろうが、今後は、他地域でこの様な議論が開始される。
その為の準備(議論をするための制度理解)が行われているという事であろうか。

ビジネス文化の違い

ビジネス感覚の違いを言えば、中国は、「知らない人間に対しては、性悪説でとことん疑う文化」、欧米は、「信じたふりをしながら、心の中では疑う(自分もすきあらば相手をだまそうとする)文化」、日本は、「疑いながらも性善説を捨てきれない(というより、捨てない)文化」という感じであろうか。

中国では、会計担当が現金を受け取ったら、客の前で偽札かどうか確認するのは基本動作だし、(不渡制度が確立されていない事もあり)企業が振り出した約束手形は、普通の企業は受け取らない。
銀行が支払い保証をして、初めて受け取ってもらえる。
銀行も企業を信用しないので、100%の現金担保を積んで、初めて手形の引き受けに応じる。
税務の発票制度というのも、その文化の象徴的な存在だ。
人は脱税をする、という大前提があるため、税務局にデータがつながっている領収証(発票)しか、証憑としか認めない。
日本式の領収書、つまり文房具屋で買ってきた用紙に社印を押した領収書は、中国では不正領収書扱いで、誰にも受け取ってもらえない。
中国で、収据といえば、悪・不正の象徴という目で見られるが、何のことない、日本式領収書の事だ。
因みに、中国では、社印も作成してすぐ公安局に届け出が必要だ。

そんな文化の違いがあるが、それが常識だと思えば、不思議と腹も立たないし、当たり前だと思う。
払ったお金を偽札でないか、目の前で確かめられるのは、当たり前の話だし、掛け売りなんか普通はしてくれないと割り切れる。

会計上の収益認識基準に関する、発生基準との齟齬(中国流発票基準と呼ばれる基準)も、基本的には、人をどこまで信じるかの文化の違いに起因する面が大きく、これは、解消が難しいであろう。
欧米の発想が、人を信じたふりをして(決して信じていない筈だが)、開示義務の強化で縛っていくという、事後規制を原則としているのに対し、中国の発想は、どうせ人はだますのだから、だませない様、取引(計上)段階で縛ろうという、事前規制を原則とするからだ。

ビジネスの国際化のなかで、ここらの会計上の考え方は、今後、更に問題となっていくだろうが、上記の理由で、融和はなかなか難しいのではないか。

ただ、実務レベルでいうのであれば、中国でビジネスをするのなら、中国の文化に従わなくてはならない(欧米なら欧米流だ)。日本の感覚で掛け売りをすれば、不良債権を抱える懸念が高い。
郷に入っては郷に従え。
中国で成功したいのであれば、中国流のやり方を理解しなくてはならない。
これは、善悪や好き嫌いの問題ではなく、生き残るための必然だ。

巨大リラックマ

先日チムサッツイを歩いていると、路上に人だかりが。
みんな、上を見て写真を撮っていた。
何かと思えば、ウェディングドレスの展示などの隣に、巨大リラックマ人形が有った。
僕も取りあえず撮影。

豚王に行く

10~12時にかけて、BSジャパン「アジアの風」の収録。
その後、深圳に移動する前に、オフィスの近所にできたという豚王に行く。
評判は聞いていたのだが、オフィスの付近にできているのは知らなかった。
昨夜のスナフキンの会で、幹事の佐藤さんが教えてくれ、それをちらっと秘書の水嶋さんに話したところ、「今日行かねばなりません!」と色めき立っているで、並ぶことが嫌いな僕ではあるが、一緒に行く事になったもの。
時間が早かったためか(香港の昼食時間は、13~14時が主流)、ほとんど並ばずにすんだのでラッキーだ。

それが終わると、深圳行きの電車の中でひたすら仕事。
ただ、一心不乱にPCを打っていたら、とんこつが効いてきてちょっと気持ち悪くなってしまった(乗り物酔いという意味で、豚王が悪い訳ではない)。
移動前のとんこつラーメンは控えた方が良いかも。

今日は、深圳行き帰りの電車(片道40分)の中で仕事。
昨日も、広州往復の電車(片道2時間)の中で仕事。
どこでもインターネットが使用できて、仕事ができるのは有りがたいのだが、息抜きができなくなってきたのは悲しい。

中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ