香港(外資企業の出張所開設規制のその後)

先週は、金曜日に1回、かなり投げやり(と思われても仕方無さそう)な更新を一回しただけの状態で、一週間で3500以上のヒットがあったようだ。
こうなってくると、「見てくれた人は、見るたびに内容が変わってないので、がっかりしたかなぁ。とか、怠け者め!と思われたかなぁ」とあれこれ考えてしまう。
やはり、ヒット数がわかるというのはプレッシャーになるものだ。
明日からは、上海⇒日本の出張に行くが、ともあれ、デジカメ画像の取り込みコードを持っていって、なるべくこまめに更新するようにしよう。
忙しさを言い訳にはできまい。
ともあれ、金曜日は、東京で講演会。



さて、中国ビジネス解説に、「外資企業の出張所開設規制」の原稿が更新されたが、間が悪い(?)ことに、これがアップされた日に、本件に関する方針が打ち出された。
原稿の執筆日が4月23日で、方針公布が5月10日だったので、ちょっとタイムラグが生じてしまった感じ。
という訳で、中国ビジネス解説の原稿を補足する意味もかねて、5月10日に公表された「外商投資投資企業関連審査登記管理法規適用における若干の問題に関する執行意見(国家工商行政管理局・商務部・税関総署・外貨管理局)」の内容を解説してみたい。

先ず、たくさんの方からご質問を頂いたのであるが、いろいろと誤解が生じている模様。
というのは、現在問題となっているのは、「外資企業(外国企業の出資比率が25%以上となる中国現地法人)が国内に開設する出張所」であって、「外国企業の出張所」ではないという事。
外国企業の出張所の方より、「これを機に現地法人に転換した方が良いか」というご質問を頂いたが、少なくともこの理由だけなら、「不要」というのが回答になると思う。
ともあれ、今年に入ってから問題となっている(開設登記が認められていない)のは、飽くまでも、「外資企業の国内出張所」であり、両者は似て非なる存在であるという事を理解する必要がある。



本件の経緯は、以前紹介したので割愛するが、今回の執行意見の内容は、簡単に取り纏めると以下の通り。
●中国の法律は、外商投資企業が、中国内に出張所(弁事機構)を解説することを禁止しておらず、既存の出張所は、継続する事ができる。
●外資企業の出張所は工商登記を必要としない。
●出張所は営業に従事する事が禁止されている。
 会社登記機関は、出張所が営業行為を行う事に対して、管理を強化する。

よって、外資企業が中国内に持っている出張所は、営業許可の期限が切れても、そのまま合法的に存続できるという事。
勿論、実務上は、登記の無い状態での活動は、就労許可の取得、その他の実務に際して、支障が生じる可能性があるので、今後は、徐々に出張所から分公司への転換が進んでいくものと予想される。



ただ、深刻な問題が予想されるのが、保税区企業の区外出張所。
現在、保税区企業の大部分が貿易会社であり、保税区貿易会社の大部分は、区外に出張所を有しているが、大部分が実質的な営業を、出張所が行っているため。
今回の通知により、保税区の区外出張所でも、登記無しで存続できるという理解でよいと思うので、(営業許可の更新が出来ず、営業期限切れのまま宙ぶらりんになっている区外出張所が少なからずあるが)これらは、この状態のまま、オフィスを構えていても良い(合法的)という事になる。
問題となるのは、同執行意見が、出張所が営業活動に従事する事を改めて禁止しており、今後、管理監督を強化する方針を打ち出している点。
今までも、所管の工商行政管理局が、「保税区の登記場所が営業実態を備えているか。区外出張所が営業を行っていないか」をオフィスにチェックにくる事が、稀に有ったが、今後はこの様な管理が強化される筈である。
これによって、基本的には、保税区企業の区外移転、というか、区外の会社の新設を余儀なくされるであろう(保税区に営業場所を移転させるのはちょっと現実的ではないため)。

勿論、急激にこの様な対応を行うと、保税区の存続に深刻な影響を与える為、それなりに慎重な対応がとられる期待はある。
但し、中期的に見れば、あるべき論への転換が迫られると思われる為、後になって慌てぬように、今から、取れる対応をとっておくべきであろう。


上海⇒香港(更新が遅れてます)

月曜日(8日)から水曜(10日)の夜まで上海滞在。
いろいろな事があったけど、外を飛び回りすぎて、時間が無く(更に、夜は酒を飲んでいたので)ブログ更新が全然出来ていない。
いろいろ有ったことというのは、
●コンシェルジュ社長の大西さんと会った
●NNAの三井さんのお祝いをした
●夜寝ていたら、突然ベッドが壊れて、どすんと下に落ちた
●音という店(1Fの上海料理は何度も行ったが)の日本料理屋に行ったら、想像以上に良かった。
●一旦、上海TVに出る事になったが、条件が合わず取り止めになった。
●などなど
夜7時発便で香港に戻る予定であったが、飛行機が2時間遅れ、家に付いたのは0時。
書きかけていたオピニオンを、1時間で完成させて就寝。
飛行機の中では、遅延でやけを起こした西洋人が、ワインをもっとくれ!とか、コーヒーも2杯だ!とかいって、飲み物をがぶ飲みしていた。

纏め書きすると、文章が面白くないなぁ。

香港(充電)

5(金)〜7(日)は3連休。
昨日は、精神的にナーバスだったので、1日中ベッドから殆ど起き上がらず、黙々と本を読む。
全部、ミステリーなので、頭に負担はかからない。
薄い本を2冊読みきり、800ページの分厚い本を三分の二程1日で読み終えた。
おかげで今日は、メンタルが随分回復。
休日は基本的に酒を飲まないことにしてあるので、3連休は酒断ち(3日で酒断ちというかどうかはさておき)で、体もすっきりするだろう。
来週の月曜日からは、気力全開で働ける、と期待したい。
華南シフト(コンシェルジュ香港)と、法務関係雑誌の論文(1万字弱)は書かなくてはならないけど、それ以外は何もしない。
ともあれ、充電充電・・・

香港(軍隊チゲが食べたい+設備輸出免税の規定)

中国本土・日本が休みの時に、こうして働いているのはちょっと損した気持がするのだけれど、ゆとりのある気持で仕事が出来るのはありがたい。
今週の出勤は、火・水・木の3日間(月+金は祭日)。
3日ともそれ程残業をせず、会食に繰り出す。
火(日本料理)、水(沖縄料理)、木(創作日本料理)という感じ。
こんな感じで、応用系も含めた日本料理が3日続くと、さすがに違うものが食べたくなる。
何故か、この3日間は、軍隊チゲが食べたくて仕方が無い。
軍隊チゲは、辛い鍋に、即席麺と韓国もちとソーセージを入れたもので、それをご飯にかけて食べたりする。
チープさの王様!という感じがするが、不思議な魅力を秘めた料理である。
いかにも僕の好きそうな料理であるが、香港滞在の9年間で、これを食べた事は2回しかない(香港にくる前は、その存在すら知らなかった)。
ここ4〜5年は、カロリーが気になって(ダイエットはあまり成功していないけど)、焼き肉屋に行くこと自体がまず無い。
それ以前は、軍隊チゲは総じて分量が多いので、これを食べると肉が食べられなくなりがちで、損をした気分になってしまうので食べなかった、という両方の原因による。
できれば、来週1回食べたい。


話変わって、ビジネスネタ。
2006年3月21日に、商務部・財政部・税関総署・税務総局より、「製品を全額輸出する許可類外商投資企業の製品輸出状況に関する検査暫定弁法(商資発[2006]1号)」が公布され、即日施行となった。
それは良いのであるが、この規定が何故出されたか、理由がわかる人は殆どいないのではないか。

この規定に書いてあるのは、「製品の全数量を輸出する事を前提として、奨励分類として扱われる事になった(設備の輸入免税措置を享受した)外資企業(以下、全量輸出企業)の税関還付手続をどうやるか」という事。
規定の内容は、
● 全量輸出企業の実績検査は5年間実施する。
● 一部でも製品の国内販売を行ったら、速やかに還付済みの税金を再納付し、今後、還付申請をしてはならない(少しでも国内販売をしたら、免税措置の全額がキャンセルとなる)。
という様な内容なので、規制強化の様な印象を受けるが、実はそうではない。

本件の発端は、2002年の秋に施行された「一部の輸入税収優遇政策の調整に関する通知(財税[2002]146号)」。
以前より、奨励分類の外資企業が総投資の枠内で輸入する設備に関しては、輸入に伴う関税・増値税を免除する優遇措置がある。
奨励分類外資企業の中には、「製品の全量を輸出する事を前提として、許可分類から奨励分類にランクアップされた外資企業」があるが、上記の通知に於いて、この様な企業は、輸入時に一旦、関税・増値税を納税する事が要請された。
その上で、5年間の製品輸出状況を確認した上で、納付済みの税金が、5年間に分けて、均等に還付される事となったのである。
しかし、通知において、明確に「輸出実績を確認した上で還付が実施される事」が明記されているにも拘わらず、実際には、還付が行われていなかった。
その理由が、「還付に関する実施規定が準備されていない」というもので、この状態で3年半も放置されたのは、ちょっとひどい。
ここらへんが、「法律だけを見ていても、実態がわからない」という一例であった。
ただ、時間は経過したものの、一応、無視される事無く、規定が準備されたのは朗報で、ここまで明確に規定されたのであるから、実際に還付は始まるのであろう。
申請期限に準備があるようなので、該当する企業は、規定を確認して、期限通りに還付申請を行う様、ご注意を。


コンサルティング会員の方で、本件に該当する方は、翻訳した規定を配信(+HPにアップ)しているので、内容ご確認の上、所定の手続を取ってください。

香港(谷垣君ありがとう)

中国は労働節休みだし、日本はゴールデンウィークなので、さすがに余裕がある。
と言うわけで、早々に会食に切り替える、
二次会は、久しぶりにBar SEEDに行く。
カウンター席に座るとちょっとびっくり。
帰国した谷垣君が、僕のために(僕の名前で)ボトルを入れておいてくれたらしい。
谷垣さんからのプレゼントといって、マスターが出してくれた。
最後まで何も言わないで、黙って去っていくとは、彼もしゃれた事をする。
「なんだ、良い奴じゃないか」と、ちょっとしみじみと考える。
有難う谷垣君。
ボトルただ飲みやろうとブログに書いてごめんなさい。

因みに、昨日は、広州会社の高橋社長と会食。
自然に話題が亀一の話になる。
基本的には、もっと鍛えてあと1〜2年で立派なコンサルタント&営業マンに仕上げようという話で、高橋社長は亀一に期待しているらしい。
ついでに、亀一が大学の学園祭で、人生相談をしていた話で盛り上がる。
いくら学園祭の出し物で無料とはいっても、亀一に人生を相談するのはちょっと嫌だ。
領家さん曰く、「あまり役に立たなさそうな人生相談ですね」。
確かに、「そうっすか」、「たいへんっね」程度のコメントしかもらえなさそうである。


上海⇒香港(亀一なまいき)

今日も打ち合わせが多い。これは大変良いことだ。
上海では、活動範囲を広げるべく、積極的に人に会っているので。
更に会食も多いので、その分、オフィス業務の整理がはかどらない。
これは少し困りもの。
その分、一番、後回しになりがちなブログは、1週間遅れの纏め更新の形になりがちなので、「良くないなぁ」と考える。
そんな事を考えながら客先訪問の合間に、「亀一ブログ」を読んでみると、おまけ程度に更新が行なわれている。
更新とは言っても、先週、日本出張から帰ってきた時(4月22日)に、まだ4月4日「上海出張1日目」になっていたので、「いつまで上海1日目だ!」と書き込みを入れ、口頭、E−mailで何度も督促をしておいたリアクションである。
これだけ言ったにも拘わらず、4月5日の「上海出張2日目」という欄には、TESTとしか書いておらず(一回分ごまかし)、更に、一回分、さして面白くない原稿が載せてあり、それで休暇に入ってしまった。
なんとも不届きな輩である。
しかし、一回り以上年の違う僕から、これだけプレッシャーをかけられても、全く動じる部分がないというのは、ある意味で将来大物になるかもしれない(好意的解釈)。
ともあれ、これから一層しごいてみねばなるまい。

昨夜は、旧錦江飯店の敷地内にある「音」という店で、提携先の物流会社と上海料理で会食。
大変雰囲気良く、美味しいし安くてよかったが、暗いので(乱視対応していない)コンタクトを付けると、メニューがなかなか読めないのが唯一の難点。
コストパフォーマンスの良い店なので、また使おうと思う。

今夜は出張者と、Jade Gardenという所で上海料理。
中華の苦手な僕が、2日連続中華というのは珍しいが、豆腐で作ったアワビが秀逸で、なかなか興味深かった。
明日は土曜日だけど、労働節休暇前の出勤。
午前中出勤して、午後に香港に移動。

香港⇒上海(楽しい機内と利休で食事)

昨日の酒がうっすら頭に残っているが、6時半に家を出て上海に移動。
何時もの通り、通路側の席を取って、機中で寝て体力の回復を図る事にする。
取りあえず、狙い通り1時間半ほど寝られて、一応満足。
機内食を食べ終え、「着陸まで最後の一眠りをするぞ」と思っていたら、窓側の香港人男性が、トイレに行きたくなったらしい。
狭い座席なので、席から立って彼を通さなければならないし、帰ってきた時に同じ事をやる必要があるので、帰ってこないと眠れない。
「ボーディングの時も遅く入ってきて、新聞放り投げたり、派手に荷物をバタバタさせたり、本当にうっとうしいやつだなぁ」と、睡眠不足もあって、内心ぶつぶつ。
「早く帰って来いよ。寝れないから」と思っていると、なかなか彼が出てこない。
何か前日悪いものでも食べたのであろうか。
更に、待つこと暫く。飛行機は着陸態勢に入ってしまった。
それでも彼は出てこない。
既に、飛行機は、どんどん高度を下げている。
業を煮やした、スチュアーデスさんが、3人がかりでドアをどんどん叩いて、「出てきなさーい!」と叫んでいる。
なにやら小学校のいじめの様だ。
かくして、ドアを叩き続けられる事1分間、手がびしょぬれの男性が、全員の視線を一身に集めてでてきた。僕は内心大笑い。
結局、「最後の一眠りは出来なかったが、楽しいものが見られたからいいか」とちょっと満足した上海行き便であった。



上海には11時半に到着。
14時(浦東)、15時(浦東)、17時(浦西)と3件の打ち合わせアポあり。
ちょっと早めに付きすぎたので、空港の喫茶店で執筆。
結果、時間の読みを完全に間違え、最初の打ち合わせに遅刻してたくさんお詫びをする事に。
ただ、打ち合わせ自体は順調に終り、今日の会食場所の利休という店に移動。
香港で利休と言えばうどんすきであるが、上海では寿司・刺身の店らしい(当然、全然関係ない店であろう)。
店は綺麗でおいしかったし、刺身が売りの店の割には、そばも大変おいしかった。
満足して、バーに移動。
いつもの様にくつろいで飲む。
バーの中で、NNAの三井さんにばったり会う。


香港(Watch on your stepの謎が解ける)

日本から戻り、週末にたまっていた原稿を書いて、昨日・今日で香港にたまっていた仕事を片付ける。
早く終わったので、というか、気が滅入る事が多いので、夜の7時前に仕事を終わらせ、ランカイフォンにピザを食べに行く。
水本君+谷垣君の後任で赴任した夏栗君と一緒。
夏栗君とは、まだ殆どコミュニケーションが取れていないので、ピザの後に、わざわざ九龍側(ペニンシュラのFelixバー)に行って親交を深める。
あまり男3人で行く雰囲気でもないが、狭い空間に西洋人がぎっしり詰まっている雰囲気は、いつもながら面白い。
今回もいつもの様に、Watch on your stepを頼むが、初めてじっくりと請求書(C.O.Dシステムなので)を見ると、I.ice teaと書いてある。
店の人に、Watch on your stepはロングアイランドアイスティの事?と少々間抜けな質問をすると、「分かりにくいから名前を変えたんだ」という回答。
なんか、名前が変わったら、あまり飲む気がしなくなった。
という事で、ジンライム+ギムレットという、似た様なカクテルを1杯ずつのんで終りにする。
今日の飲み会は、水本君の真面目さと、夏栗君の間抜けさがちょうど中和して、なかなかよい雰囲気であった。
また、この3人で飲みに行く事にしよう。

東京⇒香港(久々の神田やぶそば)

昨夜は、昔仕事で関係した、松園君、川島君、亀一と会食。
松園君(1〜2才年下かな?)は、昔、業務部の中国担当チームだったので、いろいろお世話になったが、現在、繊維部門で中国担当をしている。
未だに、いろいろ仕事で助けてくれるので感謝。
川島君は、昔、僕が田吾作というあだ名をつけて可愛がっていた(と彼は思っていないであろうが)ので、ともあれ、両名に感謝の気持で宴会。
予算の関係で焼き鳥屋だけど。
そんな感じで、楽しく飲み(亀一も楽しかったのかぐいぐい飲み)、一夜明けて今日。


今日は朝からクライアントさんと打ち合わせ。
朝の9時から、約1時間半の打ち合わせを行なう。
あとは、帰りの飛行機に乗るだけだが、時間がちょっと余ったので、約20年ぶりに神田やぶそばに行く。
そば屋と言えば、そばを食べるよりも、つまみでぬる燗をのんびりやるのがよい。
やぶそばは、合鴨、生湯葉、etc.僕が好きなつまみがあるし、のんびり飲める雰囲気があるのが良い。
帰任するだけ(飛行機に乗るだけ)なので、酒を飲もうと思ったが、昨夜ちょっと飲みすぎたので、それ程飲め無さそう。
ビールを1本だけ頼み、亀一と二人で分ける。
これで、今回の仕事はもう終り。
成田に直行して帰任。

まずまずの成果の出張であった。

東京(社内打ち合わせ+外資企業の常駐代表所禁止のその後)

朝から東京で打ち合わせ。
長い社内会議があったので、それ程書く事無し。
亀一を引き連れて、色々な部署を回ったが、いたるところで「あなたが亀一さんですね」と言われて、紹介の手間が省けた。ブログは便利なものである。
廊下で、谷垣君(4月に日本帰国となった)とばったり会ったら、早速黒ずんだ顔をしている。
どうしたのと聞いたら、「朝7時半出社で、夜遅くまで残業の毎日なんですよ〜」と悲しげな顔。
また経理部で、北京から帰国した佐藤君と会ったら、「昨日(今日)は午前3時まで仕事してたんですよ〜。忙しい時期で」とまたまた眠そう。
帰国早々、苦労している元駐在員達であった。



さて、話変わって、今年早々から問題となっている、「外資企業の出張所の設立禁止」の話。
3月中には、国家工商行政管理局が、統一的な見解を出すであろうと言われていたが、「やはり」という感じでまだでていない。
まあ、あと数ヶ月以内には出るであろうが。
丸紅広州会社コンサルティング部の麦さんが、4月16日に北京で開かれた「外商投資政策セミナー」に出席し、本件に関するコメント(国家工商総局外資局註冊指導処長+商務部外資司長)が聞けたので、下記すると以下の通り。



1)外資企業の出張所の開設問題(国家工商総局のコメント)
外資企業の出張所に関しては、「企業法人登記管理条例」と「企業法人登記管理条例実施細則」であったが、「会社法」と「公司登記管理条例」の改訂により、出張所の規定が無くなった(分公司と子会社だけになった)ので、出張所に関する法的根拠はなくなった(水野注:法律の変更と言う意味では丁度これに該当する部分は無く、運用の変更と捉えた方が本当は良いと思う)。
これを踏まえ、工商行政管理局は、以下の通り対応するつもりである。
● 2006年1月から、外資企業の出張所の新設登記を受理しない。
● 同様に、出張所の期限延長と変更を受理しない。期限満了後は閉鎖、若しくは分公司への組織変更を申請すべきである。
● 外資企業の分公司の経営範囲については、「会社(本社)の経営範囲内の連絡・コンサルティング等の業務に従事する」、若しくは、「会社経営範囲内の経営活動に従事する」という内容の何れでもよい。
● 出張所(弁事機構)の名義で経営活動を従事する場合、登記機関が取締りを行なう。

2)保税区企業の区外分公司に付いて(商務部・国家工商行政管理局のコメント)
<商務部のコメント>
●現段階ではコメントできない。
工商行政管理局と、この問題について協議をしている段階であり、新しい規定を出す予定がある。この規定が公布されたら、それに基づいて対応して欲しい。

<工商行政管理局のコメント>
●保税区企業の区外出張所事務所が、実際的な営業活動を行っていること自体が違法なので、取締りを行なう必要がある。
但し、本件(保税区企業の区外出張所の開設)は、国家の産業政策により生まれたのであるのは確かで、これをどの様に調整していくかは検討の必要がある。
近々、商務部を始めとする関係部門と協議の上、規定改定を行なう必要があるであろう。

上記の発言を踏まえると、結局、保税区企業の区外分出張所に付いては、明確な対応が決まっていたい(手の打ちようが無い)状況にあるといえる。



因みに、保税区企業の区外出張所の開設に関する法的根拠は、時系列的に見ると、
?「保税区内の外商投資企業が区外で分枝機構を開設する問題に関する通知(工商企字[1996]第341号)」により、暫定的に保税区の外商投資企業が区外に分枝機構(分公司・出張所)を開設する事が禁じられた。
?その後、2001年に、「保税区の外商投資企業が区外に事務所を開設する事に関する通知(工商企字[2001]第363号)が公布され、非営業単位である出張所に限定して、開設が認められた。
?2005年9月に、商務部のHPに、8号令に基づき国内流通権を取得した保税区企業は、区外分公司を開設できると発表した。但し、法的根拠は無い(関連規定は公布されていない)。
という経緯があり、現在に到っている。

因みに、保税区企業が区外に分枝機構(出張所)を作る、唯一の根拠となっていた?の規定は、現時点で失効となっており、結果として、現段階では保税区企業が区外に分枝機構を開設する、法律的な根拠が無い状態となっている。

上記発言から推測すると、「本件の対応は、これから協議する」という段階の様であり、まだ数ヶ月の時間はかかりそうである。
なんとも頭の痛い話。


中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ