疲れて眠くてしょうがないので、機内ではぴくりともしないで寝る。
おかげで少し体調が回復。
上海につくと小雨。
タクシーでオフィスに向かい、午後6時まで仕事、
その後、先週に企画された会食に出かける。
チャイナワークの千葉さん、当社の村上さんの友人の大輔君、当社村上さん&僕という面子。
僕以外の3人は30代前半。僕だけ10才くらい年上。
「柚子」で焼酎を飲んで、ピザを食べて、刺身を食べて、うどんやいろいろな料理を食べて、おなか一杯になって、合計1千元はお得な感じがする。
料理としては、大変美味しいもの、普通なもの、いろいろが有るが、総合ポイント(味の平均レベル、雰囲気、サービス)から言うと、なかなか良い店である。
4人の会食は、初めての組み合わせ(千葉さん&大輔君初対面。水野&大輔君会話は初めてに近い)であったので、開始時には会話の流れがいまいち重かったが、酒を飲んだらスムーズになった。
次回の企画(大輔君宅でうどんを食べる会)もできたので、先ずは成功と言う事であろう。
さて、話変わって増値税。
中国で商流を組み立てるにあたり、往々にして障害になるのが増値税である。
最近、いろいろと頭を悩ませているのは、商業企業に絡む増値税輸出還付。
増値税の輸出還付請求権があるのは、貿易権が有る企業だけという規定があり、この為、少し前までは保税区企業が増値税輸出還付を受ける事ができなかった。
但し、2005年7月の通知(商貿字[2005]76号)により、保税区企業も、経営範囲の変更により、国内流通権・貿易権を獲得することができる様になり、実際に、貿易権(外貿流通経営資格)を取得する保税区企業が増えてきた。
こうすれば、理論上は、保税区企業であっても、増値税輸出還付は可能なはずだが、実際には、(規制上は受けられる筈の)増値税輸出還付が受けられていなかった。
税務局に理由を聞いても、「保税区企業が貿易権を取れるはずが無い(ひどい回答だ!)」、「保税区外で輸出をしても、保税区にデータが伝わらないので還付できない(制度がおかしい!)」という納得できない回答が返ってくる状況。
やっとの事で、今年7月に、国家税務総局から、「保税区企業でも貿易権を取得した場合は、増値税の輸出還付を認める旨の通達が出た」ので、今後、実務面でも改善が見られると思われる。ただ、実際には、まだ暫くの時間がかかるであろう。
更に、生産型企業が経営範囲を変更して、国内流通権・貿易権を取得した場合も問題が生じている。
外高橋保税区の生産型企業で、国内流通権・貿易権を取得した企業が、所管の税務局より「生産型企業である事を理由に、他社製品の輸出に関する増値税輸出還付を拒否された」という事例が有った。既に、国内流通権を取得しているにも拘わらず、「生産型の増値税計算」か「卸売流通の増値税計算」か、二者択一を迫られ、片方の取引に関わる輸出還付は認められないという事を言われた訳である。
では、保税区以外の生産型企業はどうであろう。
そう考えて、上海・浦東地域の税務局に確認したが、やはり、「生産型企業は他社製品取扱に関する増値税輸出還付は不可」という答え。
では、「8号令に基づいて国内流通権・貿易権を取ったらどうか」と聞いてみると、「取れるわけが無い」という(これまたひどい)。
結局、ビジネス関連規定の変化に、税務が付いていっていない。
ともあれ、「この様な事例が今後増えるから対応を考えた方が良いと思うが」と言うと、「問題が生じてから検討する」という事で、先行して取引を開始した企業は、暫くは苦労しそうな旗色だ。
広州で同様のことを確認した際には、「輸出還付可能」という回答をもらったが、やはり、本当に実務面で問題が起きないのか一抹の不安は残る。
こんな感じで、ここ数年、ビジネス制度が急速に変わっている(規制緩和が実施されている)が、税務上の対応が遅れ、先に走った企業が困るという状況が生じている。
生産型企業が、海外の親会社製品・他社製品等を取り扱いたい場合(更に、卸売販売比率がそれ程高くない場合)、理論上は、経営範囲を追加して、生産&卸売の会社とするのが一番合理的であるが、税務対応の遅れにより、(少なくとも)暫くの間は、増値税課税上の問題が生じるのは避けられなさそうである。
規制上は可能でも、実務上は、どこに落とし穴が有るか分からない。
制度改革が進んできた中国でも、まだまだこんな話はたくさんある。
石橋を叩かなくては渡れない、中国ビジネスの状況である。