資金調達再規制と中国経済

資本金として払い込まれた外貨の人民元換金、及び、外国からの株主ローンの拠出を制限する通知(匯発[2011]45号)が外貨管理局より公布されたので、NNAの連載に執筆した。
資本金の人民元換金は、匯綜発[2011]88号で規制強化されたばかりだが、短い期間での再強化だ。

資本金で自己使用以外の国内不動産を購入する事は、かねてより禁止されているが、その管理が厳格化されたし、払い込まれた外貨資本金を保証金支払い用に人民元換金する事も禁止された(外貨のまま払わなくてはならない)。
更に、海外からの短期借入をロールオーバーした場合は、中長期借入金として扱わなくてはならない(返済しても残高が復活しない)事も規定された。

ここ数年、中国政府が投機資金の流入や、外貨の人民元換金に神経質になっており、また、投機目的の不動産購入を警戒してきたが、その流れがまだ続いている事が分る。

中国の不動産バブル崩壊を警戒する報道が多いし、実際、その懸念がある事は否定しないが、「かつての日本と同じような事が起こる、と決めつけるのはどうかな」と、個人的には思う。
僕は中国の不動産と現在の資金供給を、マクロ的なアプローチで研究した訳ではないので、感覚的な発言になるのを容赦頂きたいのであるが、日本のバブルの要因は、プラザ合意による円高不況の結果生じた財政緩和と投機の過熱が要因となっている。
不動産価格に付いて言えば、平均年収に比して価格が極めて高額になっている事や、値上がり期待で不動産が購入されている点は、状況が類似している。

一方、現在の中国は、かつての日本とは異なり、ここ数年、ある意味企業の健全な活動に支障をきたすような状況も見られるほど、意図的に資金供給を調整している。
銀行融資だけでなく、輸入ユーザンス形式での資金調達、資本金として払い込まれた外貨の元転、株主ローンなど、あらゆる形での資金調達が制限の対象となっている。
また、先物市場は制限されているし、不動産の購入も管理されている。
非居住者(外国企業・外国人)の中国内の不動産購入は、2006年から禁止されているし、中国居住者も、購入可能な物件数が制限されている。
つまり、買いたいし、購入可能な資金はあるが、制度的に買えないという状況が、まだ多数存在している。

これは、中国が、過去の日本の失敗(プラザ合意⇒バブルの過程)を意識して、その対応をかねてより取っている事によるものであろう。
この様な点を踏まえれば、景気調整が生じたとしても、理屈としては、かつての日本より軽微なものになるはずであるが、この点、どうであろうか。
自分で一度研究してみたい気がする。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です