月別アーカイブ: 2012年4月
上海・香港この2日
午後2時半出発の筈が、約1時間ディレイ。
おまけに早く着きすぎた事もあり、先週に引き続き、浦東空港で長時間(4時間半)の時間つぶし。
ただ、今回は、ドラゴンエアでラウンジが使えるので、仕事をし、PE本の資料のチェックをしている内に、あっさりと時間が経過した。
ついでに、ラウンジ内の食事もそこそこつまみ満腹に。
そしたら、搭乗時にビジネスクラスにアップグレード。
早く分かっていたら食べなかったのに、と恨めしく思いつつ、機内で食事は取らず。
機内、エアポートエクスプレスでもずっと資料のチェック。
中国PE課税の本は、資料として法律・条約・申告書類等をかなりの分量載せるので(邦訳と原文)、チェックにそれなりの時間と手間がかかる。
また、チェイスチャイナとして初めての図書コード取得申請なども行っており(無事通過)、徐々に盛り上がってきた感がある。
PE本はいつ出るのか、というご質問をかなりの方から頂きましたが、もうしばらくお待ちください。
必ず役に立つ本になる筈です。
ちなみに、昨日は上海で食事をする相手がいなかったので、3時間マッサージをして、その後、焼き鳥屋に行き焼酎を飲みながら、たまたまかかっていた都市伝説の女を最後まで見てしまう。
こんなボーっとしたアフター5もよいか、という感じ。
3時間のマッサージは380元。
もっと安いところはあるが、180分で5,000円なので、日本に比べると、やはり驚くほど安い。
香港での数日
小規模な集まりで、中国会(チャイナクラブ)で、会食前に、僕がコンサルティング事業開始までの状況を簡単に話すという、親睦会の延長という感じ。
チャイナクラブで食事をするのは6年ぶりくらいなので懐かしかった。
スピーチでは、僕が商売を始めた時の考え方、
① 情報は、発信するところに集まってくる。
情報が欲しければ、頭を下げてもらうのではなく、先ず、発信する事だ。
② ギャップを埋める。
米国にあって日本に無いものを探せば日本でビジネスになる。
日本にあって中国にないものを探せば中国でビジネスになる。
人の気持ちはどこでも同じ。便利さを感じればやめられない。
③ 個性を出す。
自分の強みをしっかりと把握して、セールスポイントにする。
④ 狭い世界から広い世界へ。
狭いコミュニティでポジションをつかみ、徐々に、大きな場所に出ていく。
(香港の日本人社会⇒中国の日本人社会⇒日本)
⑤ 北風よりも太陽。
積極的な営業(コンサルティングのセールス)はしない。
企業が困った時に、相談を受けやすいような環境・体制を整える。
という点を紹介。
2001年にコンサルティングをはじめ、試行錯誤を繰り返しながらではあったが、この考えで11年間やってきた。
まだまだ頑張る、という点と、(芙蓉会幹事の丸紅に)組織の中で、自分の考えを推し進めてビジネスを開拓した。おそらく他の会社だったら、ここまで自由にやらせてもらえなかったであろうという気持ちからくる感謝を伝えて会食に。
20分程度の簡単なスピーチではあったが、和やかでほのぼのした気分であった。
話変わって先週末の事。
銅鑼湾の小さな四川料理屋に入ってみた。
辛子鶏丁と紅油抄手を注文。
香港人は、総じて辛い物が好きではないので、美味しい四川料理屋があまりないのだが、まずまずの辛さと味だった。
頑張る若者たち
広州交易会でホテルが高い。
普段500~600元で泊まっているホテルが2,000元程度したりする。
数年ぶりに景星ホテルを予約するが、これでも、保証金が必要で、1泊1,000元という料金。
かつて(1980年代)の賑やかさはまったくないが、やはり広州交易会の威光はホテル代に反映されて生きている。
香港からの最終直通者で移動したので、広州到着は夜9時半。
入国手続きを終えて、ホテルにチェックインすると10時。
小雨が降っていて、外に出たくないので、2階のダルマという日本料理屋に行く。
軽いつまみを食べて、ビール1瓶、焼酎お湯割り2杯飲んだら、11時10分で、他の客はいなくなってしまった。
ラストオーダーが10時半だったので、いくらなんでも店から出るべきであろうと思っていたら、一人残った若い店員さん(更に、既に私服に着替えている)が、「もう一杯飲みますか?」と聞く。
「閉店は何時ですか?」と聞くと、「11時だけど(既に10分経過)、必要あれば残るので大丈夫です」というので。言葉に甘えて、勘定を先にしてもらい、皿は全部下げてもらって、1杯だけ酒をもらった。
中国のレストランにも、こんなにやる気のある若者がいるんだなぁと、ちょっと驚く。
そして、1980年代の中国を思い出した。
あの当時、サービス0と言われており、僕自身、1985年の初訪問時にひどい目にはあったが、その中でも、一部、責任感を持った人間がいて、しっかり、+αの仕事をこなしていた。
例えば、上海到着早々の僕が、安ホテル宿泊中に42度の熱を出したら、深夜2時に、ホテルの従業員(おそらく同年代)が、力の出ない僕を抱きかかえるようにして、緊急病院に運んでくれた。
何かお礼をしなくてはと思ったが、「当たり前の事だから要らない」と言っていた
どんな国でも、頑張る人間がいて、その努力の積み重ねが経済の発展を生んでいる。
社会主義中国も、+αの努力をする人間がいて、これだけの発展が生まれたはずだ。
日本は、他国に比べて、+αの努力をする人間の比率が高い(筈だ)から、終戦後、奇跡の復興を遂げたのではないか。
どんなにソフィスケイトされた理論でも、人のやる気という、計量化できない要素を無視しては成り立たない。そして、これが一番重要なポイントであるのは確かだ。
頑張っている人間、若者たちが、世界を良くしていくのだろうし、それは、小さな努力の積み重ねだ。
話が、少し変わって、21日(土)の上海。
イタリア料理(のはずがハンバーガー屋になっていたが)で時間をつぶしていると、注文システムがうまくいっていないのか、「30分たってもなにも出てこない!」と怒る客がそこかしこに(殆どのデスクの客が怒っている)
店員は全て20代前半と思われるが、男性数名は、へらへらして機能していない。
そんな中、一人、金色に髪を染めた若い女性が、厨房に抗議しまくり八面六臂の活躍をしており、殆どの客が、彼女にクレームしていた。
クレームされる彼女は大変だが、やはり、客は本能的に、「この店では彼女が一番優秀だ」と見抜いていたのであろう。
サービスが悪い(というより機能していない)店だが、なんとなく彼女一人に救われている感があった。
今後の活動予定
<講演会>
正式な告知は、詳細決まり次第出しますが、子会社(MCHグループ)のチェイスチャイナが主催するセミナーが、以下の通り予定されています。
① 6月7日(木) 中国子会社の潜在リスクとその対処方法
United Achievement(元NERA)鈴木康伸会計士、森浜田松本法律事務所江口拓哉弁護士との、久々の3者共同講演で、中国現地法人に潜在する、法律、会計税務、ビジネス上のリスクをピックアップし、その対応方法を解説します。
また4年ぶりとなる3人のパネルディスカッションも行います。
② 7月11日(水)
曾我法律事務所の開業記念講演会です。
テーマは未定ですが、1年ぶりに、曾我法律事務所各位と僕が共演します。
③ 8月28日(火) 中国外貨管理(経常項目)
中国外貨管理の第一人者であるみずほ総研桑田良望理事、国家外貨管理局法律顧問も務めるKing&Wood劉新宇パートナー弁護士と僕の3名で、政策、実務、制度の3方向から、中国の外貨管理を解説します。
④ 10月16日(火) 中国外貨管理(資本項目)
③の講演会の続編(資本項目)です。
こんな感じで、チェイスチャイナは、中国ビジネスに関係する皆様のお役に立つ講演会を、今後も企画、実行していきます。
告知は後ほど。
そのほか、僕の単独講演会としては、5月24日(木)に日本香港教会、6月19日(火)にみずほ総研で6時間のセミナー。7月31日(火)に企業研究会で4時間の講演会が決定しています。
また、仮決めですが、9月20日にフジサンケイビジネスアイ主催、おなじ時期に、日中投資促進機構主催セミナーが検討されています。
今年も忙しい1年になりそうですが、いろいろ決まり次第ブログ、その他で告知します。
よろしくお願いします。
羽田で蕎麦屋
むすび丸
昨日、フジサンケイビジネスアイと打ち合わせをしていたら、産経新聞社の敷地で、東北復興チャリティ物産展をやっていた。
宮城のゆるキャラの、むすび丸というのが目についたので、ブログネタに購入。
今回の日本出張は6日間(移動日を除くと4日間)であったが、月~水の3日で、4時間の講演1件、クライアント・提携先との打ち合わせ6件、社内打合せ1件と、まずまず忙しいスケジュール。
日曜日は1日中原稿を書いていたし、ここ2日は、帰宅後、深夜までE-mail処理をしていたのでしんどかったが、こうやって一生懸命働いていると、不安(会社経営にまつわる、漠然とした不安)を感じなくてすむ。
会社経営者の宿命だな、と思う。
忙しいのは良い事だ。仕事は順調。
満足感を持って仕事ができる事に感謝。
これから上海移動。
それなりに充実した1日
一昨日の事、4時間の少人数講習を終えると、実家付近の居酒屋へ。
質疑応答が弾んで楽しかったとはいえ、それはそれで疲れがたまる。
ぐったりしたので、実家付近で飲むことにしたもの。
行ったのは、駅前の店で、大学時代に父親に連れて行ってもらって以来。
釣り好きのオーナーなので、魚がおいしいと言われたので、かなり久々に行く事にしたもの。
ローカルな場所なので期待していなかったが、なかなかおいしい。
杉山君はご満悦で、「これから横浜で飲む時は、いつもこの店でいいくらいですよ」と言っている。
値段が安いので、そうしてくれると助かる。
肉豆腐と牛もつ焼き。
肉豆腐はネギで見えないが、下に半熟目玉焼きが入っているのが良い。
日本酒も、十四代、酔鯨など、良い酒が何種類かおいてある。
宴会開始が午後6時15分くらい。
講演の疲れで、7時半には宴会終了で、実家帰宅。
飲んだのは、生ビール2杯と、十四代1合と控えめ。
帰宅前に、近所の書店に寄ったら、探していた深夜食堂があったので4冊買う。
なかなかコンパクトに充実した1日であった。
さくらのなか
ザ・コストカッター
上海が20度だったので、さすがに日本も温かかろうとセーターを着ずに到着したら、8度で寒さに震える。
移動の度に温度差に悩まされる季節だ。
話変わって、先日読んだ本の話。
黒木亮の、「ザ・コストカッター」という本を読む。
黒木亮の本は2冊目だが、本著は、目線に共感できたので、2時間程度で一気に読んだ。
良かった点は、如何にもステレオタイプな米国流の金融礼賛ではなく、企業は誰のものか、という目線で書いてある部分。
傾きかけた企業にリストラ屋が送り込まれ、コスト削減プランを発表しただけで評価される場合が少なからずある。
ただ、企業の状態によって、リストラ屋が必要な状況と、価値創造家が必要な場合が分かれる。
中には、価値創造が必要な状況であるにも拘らず、企業価値を上げずに、内部価値を資本家と自分に移転させるだけの経営者がいる。
つまり、経費削減で生じた利益を、自分の報酬、資本家に対する利益還元に回し、結果的に贅肉ではなく、筋肉をそぎ落としてしまう人間である。
従業員を何千人も解雇して、会社の重要な資産を売却しても、一過性の利益を生み出せば、その経営者が数億円の報酬を受け取る事も正義とされる。
こんな状況に疑問を呈し、経営者の資質に付いて問いかけているのがこの作品。
前にも書いたが、旧ソ連が崩壊したのは、富と権力の寡占状態が生じ、公正な競争原理・自浄作用が働かなくなったためであろう。
旧ソ連の社会体制がその状況を生み出した事より、純粋な社会主義は有効に機能しない、というのが定説となった感がある。
これは否めない事実だが、では、米国流の資本主義で、同様の問題が生じないのか。
富と権力の寡占という意味では、システムは違えど、類似の状況が起きているのではないか。
現在の金融・証券システム、会社運営システムが、短期利益の実現を目的とした投資家の利益だけに向いたものであれば、社会全体の利益に相反する状況が生じる事は自明の理である。
企業は、従業員を雇用し、他企業・個人と取引を行っているという時点で、社会的な性格を持っている。
経営者の目線が、投資家のみに向けば、組織としての自浄作用を失い、健全な方向から外れる危険性がある。
経営者は、その点を十分認識すべきであろう。