計数から分析する中国・アセアンビジネス

昨日、横浜で、チェイスチャイナ主催のインドネシア講演会を開催。
講師は、NACジャカルタ事務所より大久保税理士をお招きした。
僕も、応援講演という事で、1時間ではあるが、地域統括会社の機能に付いて講演。

その際に、NAC Globalが公開情報(IMF,JETRO,経済産業省等)から編集した資料がうまくまとまっており興味深く思ったので、その中のいくつかの数字(僕が興味をひかれた数字)を抜き出しておく。
この数字を見て、僕が何を考えたのかを書いていきたい。
一言でいうと、言い古されて「何をいまさら」という気分さえする、中国プラスワンというのが、計数を見ると、改めて納得性のある言葉だと思えるのである。
僕自身、一か国集中はリスクが高すぎる故、リスク分散の意味での中国プラスワンは賛成という発言を前からしていたのであるが、それとは若干ニュアンスが異なる。
つまり、中国を捨ててアセアンに絞るというのは、現状として選択肢にはまずならない。
好む好まざるに拘らず、日本人が中国と関わらざるを得ない実態を再認識した、という意味である。

1.名目GDP(2012年IMF Data)
カッコ内は2012年の伸び率。
中国 US$ 82,270億(7.8%) 日本(US$ 59.602億)の約1.4倍
インド    US$ 18,248億(4.0%)
シンガポール US$ 2,765億(1.3%)
香港  US$ 2,630億(1.4%)
タイ     US$ 3,655億(6.4%)
インドネシア US$ 8,781億(6.2%)
ベトナム   US$ 1,380億(5.0%)
ミャンマー  US$ 531億(6.3%)
カンボジア  US$ 142億(6.5%)

2.人件費
① 法定最低賃金(2012年JETRO Data)
上海 US$ 231 バンコク US$ 197 ホーチミン US$ 113 ジャカルタ US$ 226

② 製造業作業員の賃金(月次)水準(2012年JETRO Data)
香港 US$ 1,619 シンガポール US$ 1,230 タイ US$ 345 中国 US$ 328
インド US$ 290 インドネシア US$ 229 ベトナム US$ 145
カンボジア US$ 74 ミャンマー US$ 53

③ 賃金上昇率(2013年JETRO Data)
ベトナム 17.5% インドネシア 17% ミャンマー 11.4% インド 11.8%
中国 9.4% タイ 6.5% カンボジア 5.9% 香港 3.8% シンガポール 3.4%

3.不動産
① 事務所家賃1㎡/月あたりの賃料(2013年1月時点 JETRO Data)
香港 US$ 157
ヤンゴン(ミャンマー) US$ 95
シンガポール US$ 80
上海 US$ 45
ホーチミン(ベトナム) US$ 35
ニューデリー(インド) US$ 29
プノンペン(カンボジア) US$ 24
ジャカルタ(インドネシア) US$ 23
バンコク(タイ) US$ 21

② 上海を100とした場合の他地域の指数(2013年1月時点 JETRO Data)
香港 348 ヤンゴン 211 シンガポール 178 ホーチミン 78 (横浜も78)
ニューデリー 65 プノンペン 53 ジャカルタ 50 バンコク 47 マニラ 44

4.地域別日系現地法人数(2011年 経済産業省Data)
中国本土 4,908(香港を含むと5,878)
タイ 1,443
シンガポール 866
インドネシア 628
ベトナム 432
印度 333
アジア合計 12,089(世界合計 19,250)

では、この数字を見て、僕が具体的にどう考えたのか、という点は、あと2~3回に分けて書いてみる。