コロナ管理の本格な規制緩和開始

2022年12月7日に、国務院対新型コロナ肺炎防止管理総合組より、「新型コロナウイルス感染症発生状況の予防・制御措置の実施の更なる最適化に関する通知(聯防聯控機制総発[2022]113号)」が公布され、本格的な規制緩和に動き始めました。概要は以下の通りです。
1.リスク管理対象単位
建物、棟、フロア、世帯に基づいてリスク地域を管理し、マンション、社区、街道(郷鎮)などの区域に任意に拡張してはならない。一時的な封鎖管理は、いかなる形態でも採用しない。
2.PCR検査陰性証明健康コード
行政区域単位の全員PCR検査は実施しない。また、PCR検査範囲をより狭め、頻度を減らす。
養老施設、福祉施設、医療機関、保育機関、中小学校などの特別な場所以外は、PCR検査陰性証明の提供を要求せず、健康コードも確認しない。地域間で移動する人員に対して、PCR検査陰性証明、健康コードの確認が撤廃され、到着検査を実施しないものとする。
3.隔離
無症候性感染者、及び軽症感染者は、通常在宅隔離を採用するが、希望により集中隔離治療を選択することもできる。
在宅隔離期間中は健康モニタリングを強化し、隔離後6、7日目に2回連続でPCR検査を実施し、Ct値≧35の場合は隔離を解除。病状が悪化した場合は指定病院に移送して治療する。
在宅隔離条件に該当する濃厚接触者は、5日間の在宅隔離を採用する(変更前は、5日間の集中隔離+3日間の在宅隔離)が、希望により集中隔離を選択することもできる。5日目にPCR検査が陰性であった場合、隔離を解除する。
4.その他
① 5日連続で新規感染者が出ない高リスク地域は、封鎖を解除する。
② 解熱剤、咳止め、抗ウイルス、風邪治療などの市販薬のオンライン・オフライン購入を制限しない。
③ 高齢者の新型コロナウイルスワクチンの接種を加速する。
④ 消防通路、地域単位の門、マンションのゲート等を閉鎖することを厳禁する。
⑤ 感染者がいない学校は、通常のオフライン教育活動を行う。感染者が存在する学校は、リスク区域を正確に確定し、そ れ以外は通常の教育を実施する。

当通知で注目される点は、最後の部分に「当通知要件を執行し、単純化、画一的対処、健康コードの重複要求などの管理方法を断固として是正し、形式主義、官僚主義に反対し」と、強いトーンで記載されていることです。

中国では、上意下達が徹底されていることや、下部組織がより保守的な対応を取ることが多いため、確実に状況変化を求める場合は、この様な強い記載が行われます。本件も同様で、本格的な規制緩和に動き出すことを、明確に意思表示したものと理解できます。
尚、具体的な実施時期は、各地域が決定できることになっていますが、上海市、広州市では即時に通知に基づいた方針採用が実施されています。
<上海市の場合>
上海市では、国務院の通知に基づく規制緩和を、2022年12月8日0時より実施していますが、地方通達には、地域特性を考慮し、以下の様な補足を行っています。
① 静黙管理(ロックダウンを意味する新語)は採用しない。
② 7日間PCR検査をしない場合でも、健康コードを黄色に調整しない。
③ 上海到着5日未満の場合の「上海到着5日未満」という健康コード表示を廃止する。
④ 密閉娯楽場、飲食店での陰性証明確認を廃止する。

<聯防聯控機制総発[2022]113号全訳>
新型コロナウイルス感染症発生状況の予防・制御措置の実施の更なる最適化に関する通知
公布時間:2022-12-07
聯防聯控機制総発[2022]113号

各省、自治区、直轄市及び新疆生産建設兵団における新型コロナウイルス感染症発生状況対応の共同予防・制御メカニズム(リーダーシップグループ、指揮部)、国務院における新型コロナウイルス感染症発生状況対応の共同予防・制御メカニズムの各メンバー機関へ
最近では、各地の各部門は党中央委員会及び国務院の意思決定と部署を徹底的に実施し、第9版の予防・制御スキームを遵守し、20条の最適化措置を確実に行い、健康コードの重複要求問題を継続的に是正し、前向きな成果を挙げている。現在の感染症発生状況とウイルス変異状況に基づき、より科学的かつ正確な予防・制御を行い、予防・制御業務における顕著な問題を効果的に解決するために、感染症発生状況の予防・制御措置の実施に関する事項について、以下の事項を通達する。
1.リスクエリアを科学的かつ正確に分割する。建物、ユニット、フロア、世帯によってハイリスクエリアを区切り、住宅団地、コミュニティーと街道(郷鎮)などの区域に任意に拡張してはならない。また、一時的な封鎖管理はあらゆる形態如何なる形態でもとらないものとする。
2.PCR検査をより一層最適化する。行政区域に応じて全員のPCR検査を行わず、PCR検査範囲をさらに縮め、頻度を減らす。感染発生予防業務の必要性に応じて、抗原検査を実施することができる。ハイリスク職場の従業員とハイリスクエリアの人員は関連規定に従い、PCR検査を実施するものとし、その他の人員は要望によって検査を実施する。養老施設、福祉施設、医療機関、保育機関、中小学校などの特別な場所以外は、PCR検査陰性証明の提供を要求せず、健康コードも確認しないものとする。重要機関、大型企業及び一部の特定の場所は、所属地方によって、予防・制御措置を自ら決定することができる。また、地方間で移動する人員に対して、PCR検査陰性証明と健康コードの確認要件が撤廃され、到着検査を行わないものとする。
3.隔離方法を最適化し、調整する。感染者は科学的に分類され、治療され、在宅隔離条件を有する無症候性感染者及び軽症確定例は、通常在宅隔離を採用し、または要望によって集中隔離治療を選択することができる。在宅隔離期間中は健康モニタリングを強化し、隔離してから開始後6、7日目に2回連続のPCR検査のCt値≧35の場合は隔離を解除し、病状が悪化した場合は適時に定点病院指定病院、かな?に移転して治療する。在宅隔離条件を有する濃厚接触者は、5日間の在宅隔離を採用し、または要望によって集中隔離を選択することができ、5日目にPCR検査が陰性を検出した後、隔離を解除する。
4.ハイリスクエリアにおいて「素早く封鎖、素早く解除」を徹底する。5日連続で新規感染者のないハイリスクエリアに関しては、タイムリーに封鎖を解除する必要がある。
5.基本的な医薬品購入ニーズを民衆に保証する。各地の薬局は正常に経営するものとし、任意に営業停止してはならない。また、解熱剤、咳止め、抗ウイルス、風邪治療などの市販薬のオンライン・オフライン購入を制限してはならない。
6.高齢者の新型コロナウイルスワクチンの接種を加速させる。各地は接種すべきものはなるべく接種させる原則を徹底し、60~79歳人員の接種率の向上に注目し、80歳以上人員の接種率の向上を加速化にし、特定な取り決めを行うものとする。高齢者のためのグリーンチャンネル、一時的な予防接種スポット、移動予防接種車の設定などの措置を通じて、予防接種サービスを向上させる。また、予防接種の禁忌判定の研修を段階的に展開し、医療従事者にワクチン接種の禁忌を科学的に判定するよう指導する必要がある。さらに、科学の普及を細分化し、高齢者の予防接種の動員に社会全体に力を集めて参加させ、各地は高齢者の予防接種のインセンティブを高めるために、インセンティブ措置を設けることができる。
7.重点人員の健康状況の把握と分類管理を強化する。基礎医療衛生機関の「ネットボトム」と家庭医師の健康「ゲートキーパー」の役割を果たし、所轄区域における心臓・脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、慢性腎臓病、腫瘍、免疫機能障害などの疾患を有する高齢者とその新型コロナウイルスワクチン接種状況を把握し、レベル別・分類別管理の実施を推進する。
8.社会の正常な機能と基本的な医療サービスを確保する。非ハイリスクエリアにはでは、人員の移動を制限したり、作業や生産や経営を停止したりしてはならない。医療従事者、公安、交通物流、商業スーパーマーケット、供給保障、水道・電気・ガス・熱供給などの基本的な医療サービスと社会の正常な運営を保証する人員を「ホワイトリスト」管理に組み入れ、関係者は個人的予防保護、ワクチンの予防接種と健康モニタリングを行い、通常の医療サービスと基本的な生活必需品や水道・電気・ガス・熱供給などの供給を確保し、通常の生産作業の秩序維持に最善を尽くし、民衆が提起した緊急な難題と肝心な問題これは適切な難しいですが、緊急、且つ、重要・困難な問題、という感じ?をタイムリーに解決し、感染症発生状況の対応中に民衆の基本的な生活ニーズを確実に満たすものとする。
9.感染症に関する安全保障を強化する。消防通路、ユニットドア、住宅団地ゲートをあらゆる方法でブロックすることが厳禁され、民衆の受診や緊急避難などの外出通路のスムーズな通過を確保する。また、コミュニティーと専門医療機関とドッキングメカニズムの構築を推進し、一人暮らしの高齢者、未成年者、妊婦・産婦、身体障害者、慢性疾患患者などの受診に便利を提供する。さらに、封鎖されている人員、患者、最前線の従事者などに対する関心保護と心理的指導を強化する。
10.学校における感染症発生の予防・制御をさらに向上させる。各地の各学校は科学的かつ正確な予防・制御の要件を断固として実施し、確定例のない学校は、通常のオフライン教育活動を行い、キャンパス内のスーパーマーケット、食堂、スポーツ会場、図書館などを正常に開放する必要がある。確定例がある学校は、リスクエリアを正確に確定し、リスクエリア以外は、通常の教育、生活などの活動秩序を確保しなくてはならない。。
各地の各関連部門は政治的意識をより一層高め、思想と行動を党中央委員会の意思決定と部署に統一し、第9版の予防・制御スキームを遵守し、20条の最適化措置を実施し、当通知要件を執行し、単純化、「画一的対処」、健康コードの重複要求などの管理方法を断固として是正し、形式主義、官僚主義に反対し、克服し、各予防・制御措置を厳格に実施し、人民の生命と健康を最大限に保護し、感染症発生による経済と社会発展への影響を最小限に抑える。

国務院における新型コロナウイルス感染症
発生状況対応の共同予防・制御メカニズム統合グループ
2022年12月7日

(情報開示形式:主動的公開)

関連リンク:『新型コロナウイルス感染症発生状況の予防・制御措置の実施の更なる最適化に関する通知』の解読と問題回答
 
原文URL:
http://www.nhc.gov.cn/xcs/gzzcwj/202212/8278e7a7aee34e5bb378f0e0fc94e0f0.shtml

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