移動続き

昨夜香港到着。
あと数時間で上海に。
野球風に言うのであれば、地獄のロードという感じの強行軍を続けているが、明日の上海での講演会をこなせば、ちょっと一息つけるはず。
もうひと頑張り。

アジアの情報収集へ

先月、明日香出版から出版した、「シンガポールと香港のことがマンガで3時間でわかる本」が、アマゾンのアジア・アフリカのカテゴリーで3位(全体では1万位程度)という連絡を出版社の方から頂いた。
まずまずの滑り出しの様だけど、共著の本は、(誰でもそうだと思うのだけど)自分の本という気がせず、売れ行きにあまり関心が持てない。
勿論、「増刷になればいいな」とは思うが。
やはり、増刷になると、印税という面もあるが、なにより筆者として達成感・満足感がある。
僕が出版した20冊程度の中で、増刷になったのは、中国ビジネス投資Q&A、中国ビジネス用語集、初めての中国ビジネス、加工貿易マニュアル、外貨管理マニュアルの5冊だけ。
中国ビジネス書という特定の分野であるため、売り上げが限られるのは已む無いと分かってはいるものの、増刷にならないと、やはりさびしい。

ただ、何れにしても、香港とシンガポールという、僕の今までの本とは若干違う分野の本を、このタイミングで出せたのは、僕にとって幸運だったのではないかと思う。
僕の軸足は、今後も中国に置く、という点は、今までもブログで何回か書いたが、会社の業務範囲自体は、(中国を主軸としつつ)アジアに拡大していく事は、2006年から決めていた。
この本の出版が、ひとつのきっかけになる気がする。
まずはコンテンツ分野からという事で、チェイスチャイナ(チェイスチャイナ&アジアにサイト名を変更予定)は、今年に入り、アジア関連のコンテンツの充実を図っている。
中国のコンテンツと東南アジアのコンテンツでは、深さは違うが、それは、今までたくさんの中国関係専門家が行ってきた知識の蓄積の差だ。
東南アジアは(中国と比べて)専門情報が少ないだけに、生の情報が求められている。
それを、なるべく幅広く、オンタイムに発信できる態勢を整えていきたい。
メディアではないので、あくまでも、会計税務、法律、外貨管理、通関、進出関連法規、インフラ情報などに主軸を置いた専門情報という意味だが。

僕が中国コンサルティングを初めて12年。
暦が一つ回って、軌道に乗ったと思ったら、また、新しい分野に手を伸ばしていかなくてはならない。
会社も一つの命。
産み落とされた時から、成長を求めるのは、自然の摂理なのかもしれない。
適正な拡大を求めていくのは、会社経営の宿命と言えるのであろうか。

中国駐在の日本人の方々の実感を聞いて

今週は、日本到着(水曜日の夜)後、横浜市主催のセミナー(座談会?)と、JETROの講演会が2回(1日に、2時間の講演会を2回)があった。
それに、面談2件と宴席1件、更に、確定申告だったので、ばたばたしていた数日間。
ただ、JETROの講演会では、水野さんの講演を聞くために広島から来ました、と言ってくれた方がいたのは嬉しかったし、ご質問も多く、良い雰囲気の中、充実感をもって講演できた。
横浜市開催のものは、実験的な企画で、中国関係の専門家が10分づつ話をして(3名)、その後、1時間で質疑応答を行うもの。
ライブ感があって面白かったが、環境、マーケット、今後の中国経済の展望など、その場ではパシッと答えにくいものも多く、個人的には若干(自分の回答に)不満を持つ面もあったが、主催者、聴講の方には喜んで頂けた様なので、まあ、良しとしよう。
来週は、月曜日に面談1件こなした後、JETRO講演をあと2件(2時間x2回)。
その後、火曜に香港移動。水曜日に上海移動して、木曜日は久々の上海花園飯店(ホテルオークラ)で講演会。

こんな感じで、2週間で、500人以上の方とお会いし、話ができる。
これは、僕自身としても大変有意義な事だ。
先週の上海・蘇州、そして、今週の横浜市のセミナーで、お会いした方からよく聞いたのが、中国に問題があるのは確かだろうが、それを割り引いても、今の日本の報道はあまりに偏り過ぎだ(実際に、中国で生活している自分たち=日本人の実感と合わない)という意見。
中国も同様だが、結局、日本・中国の報道が、相手を悪者にすべく煽り立てている感があり、ある意味、子供の喧嘩かと思う事もある。
良い部分も悪い部分も含めて、冷静に、今ある姿を伝えなければ、世論が歪む。
そして、国民感情が、悪意に固まってしまう。
これは、自国にとっても有害で危険な事だ。
中国で昨年行われた破壊行為は許せないが、この様な一部の人間の悪意を全体の姿だと思い、大部分の良識や善意が見えなくなりがちだ。
これを、善は善、悪は悪という、公平で客観的な姿を伝えるのが、報道の役割ではないかと思うのだが。
日本にも中国にも、この良識を望みたい。

鍋が美味い

香港から移動したので、日本が一層寒く感じる。
体が鍋を求めてやまない。
水曜日の宴席では、焼き鳥屋を選定したが、鍋が有ったので、先ず鍋を食べる事に。
赤味噌味の鶏鍋という、如何にも名古屋っぽいメニューを頼んだが、八丁味噌ではなかったのが少々残念。
ただ、鍋はおいしかった。

今年に入って、講演会に加え、クライアント企業様の訪問、クライアント企業様限定の無料ミニ定期講習会などを企画し、情報提供の頻度・内容も充実させる様、努力している。
これは、この様な環境でも、ビジネス上の影響がほとんどない事から、改めてクライアント企業様に対する感謝の気持ちを形にしたい(すべきだ)と考えてのもの。
こういう時こそ、同一価格でサービスの質を上げるべきだと思う。
また、クライアント様以外でも、なるべくたくさんの方々と話をする機会を持とうとしている。
体はきついが、僕が動くと、安心感からか、部下が明るく、前向きになってくるのが分かる。
やはり、上がまず動かないとだめだという事を、改めて認識させられた。
会社は発展途上。
まだ、のんびりできる身分ではない。
いま自分が置かれた環境に、やりがいを感じで、走れるところまで走ろう。

これはたまごの油揚げ包み焼き。
素材としては、如何にも僕好みのものだが、期待が大きかっただけに、インパクトはいまいち。
たまごがもう少し固い方が良かったかな。
鍋に日本酒を堪能した一夜であった。

信用調査会社の管理条例

日本到着。
昨日は、疲労困憊の状況だったので、機内では、小一時間PCを広げただけで仕事は断念。
今朝、朝一で時事通信の連載原稿を書き上げる。
信用調査会社の条例が、3月15日から施行になるのでこの内容。
個人情報の取得は、大きく制限がくわえられ、宗教・血液型・病歴などの情報取得は禁止され、個人財産や納税状況等も、本人の同意がなければ収集できなくなる。
因みに、法により公開されている情報や、企業の董事・高級管理職の職務履行に関するものは、制限から除外される。
一方、企業情報の取得に対しては、それ程大きな影響はなさそうである。
昨年、一時的に信用調査会社の情報収集が制限され、信用調書の取り寄せに混乱が生じた事がある。
最近は、問題は沈静化しているが、この様な形でルールが制定された事で、円滑な運用が行われる事が期待される。

今日は、最寄りの税務署に行って、確定申告をしなければならない。
そのため、昨晩は、深夜まで証憑書類を整備して、申告書の作成に没頭していた。
これから税務署に出発。

疲れると見る怖い夢

ここしばらくのハードスケジュールでさすがに疲れた。
疲労・ストレスがたまると、必ず見る夢が、昔から二つあった。
大学の試験がまったくわからず、卒業できないと焦る夢と、部屋の中に閉じ込められる夢である。
前者は、もちろん大学時代の僕が、ろくに授業にも出ず、合気道ばかりやっていたため、こんな夢を見るのである。
後者は、大学3年生の時にバックパックを担いで1か月弱中国を自由旅行した時に、洞窟のようなホテル(旅社)に泊まる事になり、それが怖かったからである。
最近それに、新しい夢が加わった。
会社で所属している部が潰れ、他の部に吸収されると、僕を含めた吸収された人間たちが、嫌がらせを受けるので(会議に出なくていいとか、仕事を与えられないとか)、それに対抗しようとする夢。
これは、独立起業時のストレスが刻まれているのであろう。
人間の記憶とはこんな感じで現れるものだ。
最近、とある部下から、「水野さんの顔は猿に似てますね」と言われてむっとする夢を見たが、これは、何か深層心理を表しているのだろうか・・・

ただ今キャセイラウンジ。
いつもはヌードルバーでは、担担麺を食べるのだが、今日は違う種類の麺を食べてみた。
さて、日本に移動だ。
日本では、講演会5件。

報道にどう向き合うか

先週土曜日の蘇州講演会の続き。
当日の朝、江上編集長に会うと、「僕の記事をブログに書いてくれてありがとうございます」と言われる。改まって言われるとてれる。
これは、中国の昨年のGDPが7.8%成長となった事に対する日中間の報道に関する江上さんの見解を僕がブログで取り上げた事に対してのもの。
江上さんの蘇州での講演内容も同じだったので、興味深く聞いていたのだが、確かに同氏が言われる通り、日本の報道が8%割れ、という点を強調する事で、それ自体は事実としても、日本の企業が向かうべき方向が歪んでしまう危惧はある。
中国自身が、既に、2ケタ成長は不要なので、景気過熱・物価上昇の抑制を行いながら、7~8%の安定した成長を志向していくと発言しており、現在のところはその通りに推移している。
また、中国のGDPは、日本の1.2倍以上になっており、それが7.8%成長しているという事実を、計数的にはまず認識すべきである。
そうすれば、そこにどの様に参入して、利益を上げるかを考えるのが、企業の自然な発想となる。
その前提を踏まえた上で、中国に存在する政治リスクや、今後も上昇するコストという問題を、如何に管理(ミニマイズ)していくかを考えればよい。

一口に海外展開と言っても、製造もあれば、販売もある。
更には、役務やノウハウの提供で利益を回収する事も考えられる。
何れの形態かで、必要な人員、投与する資金、リスクの種類・大きさ等はまったく違う。
この点を、十羽一からげで議論しても意味がなく、今後の事業計画を明確にした上で、どこで何をすべきか分析すべきであろう。
例えば、ASEANで作って中国で売る、というのも一つだし、中国にノウハウ提供してロイヤルティを取るのも一つの方法である。
つまり、必ずしも中国に拠点を作らなくても中国ビジネスはできる訳で、企業は、状況に応じて、どの様に中国、東南アジアと向き合い、利益を極大化していくかを考えればよい。
何れにしても思うのは、10数年前の、中国進出を煽る日本の報道も偏っていたが、現在の東南アジア礼賛の報道も偏っている。
報道の通りに動いても、企業として明るい未来が待っているとは限らない。
結局、企業・個人が、報道を鵜呑みにせず、自分の目と頭で分析し、判断する習慣をつけなくてはならないという事だろう。

短い蘇州滞在でも嬉しかった

昨日(23日)は、朝7時50分に虹橋駅に集合して蘇州に移動。
蘇州日本人会で講演(朝10時~12時半)。
虹橋駅を使用するのは初めてなので、迷っては大変と、朝6時半にタクシーに乗り、7時に駅に到着。
集合は、地下鉄駅のホームなので、それを探して30分歩き回る。
僕が方向音痴な事もあるのだが、なんと巨大な施設だろうか。
今回の共同講演者である、蝶理の井上中国総代表、NNA(共同通信グループ)の江上編集長、当社松本高級顧問と一緒に新幹線で移動。
30分であっさり蘇州に到着。
居眠りする間もない。
江上さんも僕も酒好きなので、深酒して遅刻してはまずい、というプレッシャーで、前夜は酒を控えて早寝した、という点で、行動が一致していた。

思えば、蘇州では、5年以上講演をしていない。
2007年に、蘇州総合保税区が開設された際(保税物流中心B型・輸出加工区から昇格)、蘇州総合保税区の管理委員会・シンガポール工業園区と共同で、お披露目セミナーを開いて以来。
こんな形で蘇州の日系企業の方々にご挨拶ができたのは、大変有りがたい事だ。
昨年末の恵州日本人会での講演に続き、今回もおぜん立てをしてくれたのは松本顧問。
こういうセッティングは、各地の日本人ソサエティとのネットワーク、経験、それなりの年齢がないとできない事で、僕自身でも難しい面がある。
先輩顧問は頼りになる。

蘇州では、土曜日の朝10時からの講演であるにも拘わらず、50人の会場に満員の出席を頂いた。土曜日の朝というのは、僕自身が聞く立場だったら、まず参加しないであろうから、感謝に絶えない。
また、講演会でも懇親会でも、たくさんの方が、僕の著書を読んでくれていたり、講演会を過去に聞いてくれており、温かく迎えて頂けたのは、心から嬉しかった。

懇親会を終えると、浦東空港に車で移動し(2時間半)、香港に移動。
疲労で機内では完全熟睡。

蘇州に

ただ今虹橋駅。
これから蘇州の日本人会で講演。
虹橋駅には初めて来たが巨大で、飛行場の様だ。
1985年に初めて上海を訪問した時に利用した上海駅との違いに感慨深いものを感じる。

昨日までの3日間で、面談14件、宴席2件。
そして、ブルームバーグの電話取材を30分。
目いっぱい詰め込んだスケジュールであったが、クライアント様と交流が持てて楽しかった。

では、出発。

中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ