むっとしたり感心したり

先週は、広州1泊⇒上海5泊⇒広州1泊⇒香港という行程であった。

そのため、広州⇔上海の国内往復便を使用したのであるが、国内便は、搭乗手続きが混雑して大変なので、別ルートで手続ができる、ファーストクラスのチケットを買った。
買ったのは東方航空。
前にも書いたが、昨今、東方航空・上海航空の機内のサービスは、なかなか感心するものがある。

まず、広州の新白雲空港(巨大でいつもながらカウンターが見つけにくい)に到着すると、東方航空のカウンターに行く。
ただ、ファーストクラスカウンターが無い。

おかしいなぁと思って、手が空いてそうな人間に場所を尋ねると、顔を上げようとしない。
「これは、1980年代以前を思わせる態度の悪さだ」と思い、

「ファーストクラスのチェックインカウンターはどこだい??と聞いてるんだい!!」

と声を大にして尋ねると(中国語)、うるさい客が来た!とばかりに、嫌々顔をあげて「南方航空のカウンターで代理処理する」と答える。

「態度悪いぞこのスタッフ」とは思ったが、無理やり顔をあげさせ、答えさせたので、それなりにすっきりして南方航空のカウンターに。

ここは、うって変ってサービスが良い。
やはり、広州では南方、上海では東方という事か。

パスポートを渡すと、何も言わないのに中からキャセイのマイレージカードを発見して、登録してくれた。
東方もワンワールドとはいえ、中国国内線でポイントが付く事を知らなかったので、今まで何も言ってなかった。
結構マイレージ無駄にしていた事になるが、ともあれ助かった。

そんな訳で、むっとしたり感謝したりの十数分だったが、結果オーライという事で。

来料独資転換と今後の方向性

来料加工廠の独資転換のサポートを数社から依頼されているため、昨日は、その提案書作成。
制度、作業、スケジュール、会計・税務上の影響等の全てを網羅する必要があるので、結構時間がかかる。

また、何度かNNA、時事通信にも解説しているように、来料独資転換は、昨年に広東省のガイドラインは出たものの(粤外経貿加字[2008]7号)非常に簡単な内容で、判断の重要な部分が、政府機関の担当者の裁量にゆだねられる感は否めない。
特に、東莞では、現物出資自体を認めていないという方針であった。

これが、「財関税[2009]48号」・「税関総署[2009]62号」により、2011年6月末に、現物出資とそれに関わる減免申請をすれば、転換後の法人が奨励分類でなくても輸入段階の関税・増値税の免除が認められたり、現物出資が認められたりしている。

また、東莞市でも、最近(10月15日)に、来料の独資転換を規範化する通知が公布されるなど、やっと制度が整ってきた感がある。
現物出資に関わる政府機関の発言も、上記公告以降変わってきている(僕が東莞市政府にヒアリングした回答)。
勿論、まだ、走りながら整える、という傾向はあろうが。

恐らく、これにより、来料の独資転換作業は加速するであろう。
また、税関総署の公告で、来料の独資転換(これは、珠江デルタ型来料の独資転換という特殊なトピックスに関する公告である)の優遇を、2011年6月末まで与えるとした事は、今後、1~2年で、転換作業を推進したいという姿勢の表れと捉えてよいだろう。

結果、先行して転換作業を実施した企業(2008年の広東省のガイドラインを受けて、すぐ対応した企業)は、若干、割を食った(優遇措置を十分享受できなかった)感があり、この点、あるべき論からすれば、救済措置があってしかるべきだとは思うが、対応のタイミングによって、損得が分かれるのは、如何にも中国ビジネスの特徴という気もする。

来料独資転換に関しては、市政府以上と、鎮政府以下のレベルで、捉え方の違いはある様であるが(早く推進したい市政府以上と、収入減につながるため、遅くしたい鎮・村の政府)、一応、トレンドが定まった感はある。

来料加工という制度は、今後も継続されると個人的には思っているが、珠江デルタ的な経営は、2年以上の時間をかけて、徐々縮小させていく方針、ととらえて良いのではないかと言う気がする。

先週末の広州

広州は、先週から交易会だ。

金曜日に上海から広州に移動して1泊する予定でホテルの値段を聞くと、何時もは500元のホテルが1000元。
交易会だという事をすっかり忘れていたのでびっくりした。
僕が実務研修性をしていた1980年代は、広州交易会と言えば、街中が異様な雰囲気に包まれる一大イベントであった。
貿易の制度の開放と共に、広州交易会の位置付けも随分変わったものだが、ホテルの値段はまだまだ高い。

交易会中なら2000元でも致し方ないところ。
500元の部屋が1000元ならまあ良いか、と思ってチェックインすると、スウィートルームにしてくれていた。
何やら得をした気分になるから不思議だ。

金曜は面談2件。
両方物流関係の打合せ。
土曜日は1件。
来料独資転換の打合せ。

土曜の午前中に仕事が終わり、直通便で香港に。
随分足が軽いのは、前夜やった足・肩マッサージのおかげだ。
やっている最中はやたらと痛かったので、「失敗だ!」と憤っていたが、翌日効果が早速出た。

結果、悪くなかった気がするが、気持ちよさを取るか、効果を取るか、難しいところだ。

最近

ここ数週間、殆どブログが書けていない。
更新ができない理由は、国慶節前・中は、業務が集中し、全く更新する余裕がなかったため(業務集中から来るメンタル的な要因が強い)。

今は、業務的には落ち着いたが、ブログに対するモチベーションが持てない為。
ブログも続けていると、何ヶ月かに一回の頻度で、「何で書いてるんだろ」という疑問が生じてしまい、更新する事に否定的な気分になる。
ただ、最近の日常生活は、気分的に非常に落ち着いていて充実している。
ブログを書くモチベーションだけが下がっている感じだ。

とは言え、5年も続けたブログをここで止めてしまうのももったいない。
ブログでできた人間関係もある訳だし。
何事も、インターバルをあけすぎると、継続(再開)する事が困難になる。

気分の変化を待つために、しばしインターバルを置くか。
ビジネス関係のネタを暫く書いてみるか。

仕事関係は充実しているので、ビジネス関係の記事ならいくらでも書けそうな気分であるが、ブログに本業の情報を使用するのは、個人の拘りとして抵抗がある。
まあ、もう少し成り行きに任せよう。

只今、広州。
昨日の便で、上海から広州に移動した。
如何にも秋、という気候の上海から、30℃の広州に到着。
着いた途端、何だこの暑さは!という気分。

それでも、1日すると体が慣れて、華南の秋の気候をしばし楽しんでいる。


ブログ書く気がおきず

ここしばらく、ブログを書く気がしない。

Q&Aの執筆が終わったら、すぐに次の本を書きだしてしまったり、国慶節中は残務整理で追われていて、まったく休めていないのも影響しているのであろう。

本当に疲れた。


中国ビジネス投資Q&A改定作業完了

中国ビジネス投資Q&Aの改定作業がやっと終了した。
今回は、あまりの大改定なので、タイトルも「新・中国ビジネス投資Q&A」と変更した。

しかし大変だった執筆。
あと、ゲラ校正。

どんなステップを踏むかと言うと、
☆ 原稿を書くと、編集者にE-mail。
☆ 編集者が校正して、再度僕にE-mail。
☆ 僕が再校正。
☆ 印刷用に編集したものを僕にPDFで送ってきて、僕が一次ゲラ校正。
  修正点をE-mailで指示。
☆ 修正後、二次ゲラ校正。

この二次校正は、E-mailだと大変なので、日本と電話でやったのだが、第一部(半分)だけでも118か所の修正点があり、国際電話で2時間。
第二部はもっと少ないけど、ともあれ、全体で200か所位の修正だ。

その結果(三次ゲラ)を再点検して終了。
この段階での最終修正は10か所弱。

そんな感じで苦労したので、久々に完成が嬉しい。

新・中国ビジネス投資Q&A 10月20日発売。
CR-ロム版も10月中旬発売。

本当に大改定です。


屋台村とタイガーマスクの関係

塩胡椒入れ(顔の部分から塩を出す)

一泊で広州だ。

今回の会食は、兄弟船に行くはずだったが、18時半に中信広場のタクシー乗り場に行くと長蛇の列。
天河は本当にタクシーがつかまらない。
このまま待ってると、30分以上かかりそうなので、今回は兄弟船断念。
歩いて行ける屋台村にした。

屋台村は、前もブログで書いたが、何故かここに行くとタイガーマスクの話題になる。
何故だろうと、しげしげ考えると、原因はこの塩・コショウ入れだ。

昔、タイガーマスクに、ミスターノーというキャラクターが出てきた。
頭の上に鉄球をし込んだ覆面レスラーで、頭突きが強い(鉄球だから当然だ)。

本当の頭は首のところにあって、戦っている最中にそれに気づいたタイガーマスクが首を引きちぎる、というシーンがあった。
皆な、本当に首をもいだと思って顔面蒼白!って、いくらなんでも分かるだろう(首の動きおかしい筈だから)という感じ

かなり無理のあるキャラクターだったが、そのミスターノーが、この塩・コショウ入れにちょっと似ているので、ここで酔っぱらうと、無意識のうちにタイガーマスクの話を始めてしまったわけだ。

しかし、このブログを書こうと、タイガーマスクをインターネット検索して見ると、虎の穴の掟として、ファイトマネーの半額を上納する必要があり、タイガーマスクは、これが滞った(孤児院に寄付した)から、命を執拗に狙われる、という設定であるのが分かった。

なんか、現実性がある様なない様なストーリー設定だ。
小学校の頃は、明らかに理解しないで見ていたが。

人にはそれぞれ才能がある

嫁さんから、「あなたは人の使い方が下手だろう」と言われる。
その趣旨は(おそらく)何でも自分でやってしまって、部下に任せないと思っているのではなかろうか。
丸紅時代も周囲から、コンサルティングは水野が一人でやっていると言われていた。

ただ、それは真実を見ていない。
僕の会社は、社員一人一人の力の集合体だ。
それが、長年一緒に働いた(僕と部下の)阿吽の呼吸で、役割分担されている。

人はそれぞれ異なった才能がある。
「それを業務に当てはめていく事」、「個々人の能力に合わせて、新しい仕事を創り出していく事」に関しては、僕は上手いのではないかとひそかに思っている。

コンサルティング業務開始の時は、僕個人の経験から開始したものだが、それに、部下一人一人の能力を元に、業務を補完したり、新しく創り出していき、業務範囲を拡大していった。
人はかならず、何らかの才能がある。
少なくとも、興味はある。
今までそれでお金をもらった事がない人間でも、上手く仕組みを作ってやれば、ビジネスに転換できる可能性は、沢山あるものだ。
それが上手くいったから、部下が成長した部分も大きいと思う。
勿論、本人達の努力が一番のポイントだが。

まあ、僕を実務者(コンサルタント)としてではなく、経営者・上司としてみた場合、どうか、と問われると、自分でもよくわからない。
経営より実務に興味が向くのは明らかで、その点では、純粋な経営者としての思考回路とはちょっと違う気もする。
今回の起業も、1年で会社を4つ作り、黒字決算を達成したので、経営者としての及第点は取れたであろうが、会社の規模がもう少し大きくなってくると、実務よりも経営そのものに専念する事を要求されたりするのかもしれない。

実務から経営に役割をシフトしていくのは、個人的にはちょっと本意ではないのだが、10年後を見据えると、その対応を考えていかなくてはいけないのは確かだ。
何れにしても、会社はしっかりと育てていかなくてはならない。
まあ僕の性格からして、実務から完全に離れる事は、あと30年くらいはないと思うけど。

当事者意識

先日、とある総合商社の方と酒を飲んでいて、在庫の実地棚卸の話になった。
僕が経理部長をやっていた丸紅香港時代は、実地棚卸は経理の役割ではなかった。
その商社では、実地棚卸は経理の役目という事で、「実地棚卸やらないと、何も分からないじゃないですか!」と言われたが、その通りだと思う。

僕も、自発的に実地棚卸に同行したりしたのだが、そこに行くと思わぬ事態に遭遇する事もある。
夏に数万足の靴を数えて、卒倒しそうになったり(その時は、倉庫の冷房が不備だったのが発覚し、即刻冷房の整備をしてもらった)、思わぬ含み損が表面化したり。

結局、会計基準で、測定・減損等を論じるのも経理の一部だし、現場でそれを実際に確認するのも経理だ。
営業と経理が共同で在庫の管理体制に責任を負うのがあるべき姿だと思うし、その一環に実地棚卸もある。

ここらの業務の線引きが変われば、仕事の立ち位置も変わる。
この線引きは、会社によって色々違う。
どちらがいいか、というのは、今まで尽きない議論が交わされてきたのであろうから、ここでとやかく言わないが、僕は、理論と実務が一体化して、初めて知識は完成されるという考えの持ち主だ。
現場を知らない経理にはなりたくなかった。

管理部門、職能部門、若しくは、その他の英文名等、名称を変えて、管理部門の官僚的な雰囲気を変えようという試みは、どの会社でもあるようだ。
ただ、それでは小手先だ。
名称変更では人のマインドは変わらない。
当事者意識を変える事。
それは、業務の線引きを変える事。

それが、業務改善の一番の手法だろう。

前川寿司で刺身を堪能する

国慶節前は極度に忙しく、ブログの更新がまた滞ってしまった。
と言う訳で、またバックデート更新なのだけど・・・

先週木曜は、久々に強面kazuさんと会食をした。
数か月ぶりだ。

久々に寿司が食べたくなったので、前川寿司に。
ここは、半年ほど前に、創英の金さんから教えてもらった場所だけど、大変気に入っている。
上海のすし屋をそれほど知っている訳ではないけれど、上海で寿司を食べて初めて満足した店だ。

僕は、タコ、イカが好きで、マグロはトロより赤身が好き。
握りより細巻きが好き。
という感じで、あまりお金にならない客である。
まあ、香港だと、カウンターに座ったら、自動的に(食べても食べなくても)一人HK$ 1,500以上取られる店も少なからずあるので、そんな場合は割り勘(?)負けになるのだが。

話は飛んだけど、そんな感じで、特別ではないネタが(ネタでも)美味しい店がよい。

いつもの様に、最初は、赤身、タコ。
あと、頼んだ本日のお勧めのイカが、大変おいしかったのだけど、これまた夢中になって食べていたら、写真を取り忘れたのは痛恨。

写真映えのする、あさりの酒蒸しも取り忘れたし・・・

ぶりかまとカズさん

Kazuさんは、僕のブログの読者なので、食事中、いろいろコメントがでる。

「だいたい、兄貴(僕の事)は、タクシー代浮かせるために歩いたとかバスに乗ったとか書いてますけど、いいもの食べ歩いてるから矛盾してますよねぇ」とか言われる。
そう言われるとその通りなのだが。

まあ、昔から、服とか装飾品とかにはあまり頓着しないが、食費はかける。

昨年の起業早々、食費を削らなくてはいけなかったのは(寿司食べたいけど、吉野家の牛丼食べたりとか)、如何に辛かったか分かってもらえるであろう。

そんな訳で、また普通の食事ができるようになったのに感謝して、美味しく食事をして、酒を飲んだ。

満足。

中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ