香港⇒珠海⇒広州(クロスボーダー工業園区)

昼のフェリーで珠海に。香港側のイミグレでは、Permanent ID保有者の出国手続が変わっており、機械にIDを差込み、指紋照合をすると、ゲートが開く無人システムとなっていた。初めてなので、ちょっとまごつくが便利そう。
フェリーに乗り込む時には大雨。珠海でも大雨。撮影が危ぶまれたが、珠海保税区に到着する際には、小雨になっており、何とか取材ができた。
珠海保税区訪問の目的は、マカオ・珠海クロスボーダー工業園区の取材(同工業園区の珠海側の管理は、珠海保税区管理局が行っている)。4月に、マカオ貿易投資促進局と面談し、同工業区の事を質問したのだが、いまひとつはっきりした回答が返ってこず、詳細を珠海側で確認しようと思ったもの。
珠海保税区管理局の副局長が説明してくれたが、大変丁寧な対応で、少々恐縮。
感じたのは、外資誘致にかけては、マカオ政府より、中国政府関係者の方が、はるかに慣れており、ポイントを掴んでいるということ。マカオ貿易投資促進局で質問したときは、統計数字やプロパガンダ的な解説に終始し、税制・優遇措置などの具体的な質問に対しては、まともに回答が返ってこなかったが、珠海側では、外国企業が関心を持つ点を的確につかんでおり、ポイントをついた回答をしてくれた。写真はクロスボーダー工業園区の珠海側。

同工業園区は40万?で、内29万?が珠海側・11万?がマカオ側。前回、マカオ訪問時に、「マカオ側と珠海側でどう区分するのか、税制・外貨管理はどう適用するのか」という質問をしたが、マカオ貿易投資促進局よりは、詳細未定という回答であった。
今回行ってみれば、何のことない、真ん中に川があり、珠海側とマカオ側が区分されている。橋を一本架けて、この連絡を取る(橋を渡るのには通関が必要。但し、出境時の手続だけなので通常の通関よりは簡単)という事らしい。よって、珠海側は珠海保税区に準じた税関・外貨管理が行われるし、マカオはマカオの制度が適用される。
つまり、珠海側の企業所得税率は、経済特区の15%が適用されるし、保税区と同様、保税区域という位置付けになる。保税区と異なるのは、区内に国内貨物が搬入された段階で増値税還付が認められる点で、これは、物流園区・輸出加工区と同様。
珠海側は、工業区・スィッチ貿易区・商業区等の区域に分かれており、内47%の面積が工業区で占められている。工業区は既に6割が売却済。残りの地域も商談中と誘致は好調。進出企業の大部分はマカオ企業との事。
写真は、珠海側から川を挟んだマカオ側園区を見たところ。

話し変わって珠海保税区(珠海保税区とクロスボーダー園区は、車で10分程度の距離)。
1996年に認可を取得した、(全国15箇所の保税区の中では)最も新しい保税区で、企業誘致は2000年から開始している。僕が以前(2002年)訪問したときには、空き地が目立っていたが、現時点では1期開発面積(3平方キロメートル)は、全て売却済み(標準工場は空きスペース有り)。
通常の保税区は、貿易会社の数が多いが、ここは、加工企業・物流企業が主流。保税区としての認可面積は5.89平方キロとの事で、残り2.89平方キロについて、物流園区の設置を申請中との事。2.89平方キロの開発認可が下りれば、物流園区としては、規模の大きなものになる。
写真は珠海保税区のゲート。珠海保税区からは、何処からでもマカオタワーが見渡せ、「マカオに隣接した保税区」を感じさせる。

今回の訪問には、広州にいる部下の杉山君(愛称:亀一)に付き合ってもらった。彼は、ハルピンで語学研修をしたので、北方系の中国語を話す。尚、亀一の愛称の由来は、こちら
写真は車中の亀一君。

取材後広州に移動し、夜は仲の良い会計士の方と会食。ここ暫く、スケジュールが合わず、お会いするのは数ヶ月ぶり。
「悩んでいると聞いていたが、確かにやつれている」と心配された。本当は、前日の深酒のせいで元気がなかっただけなのであるが、真面目に心配されるので言い出せず。心配させて申し訳ない。とここで謝っておくことにしよう。

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