中国と国際税務

1988年に中国語学研修生に出てから、中国の会計・税務、ビジネス制度に何らかの形で関わっている。
中国居住年数は、既に16年になっているし、22年強、中国の制度を見てきた事になる。
その中で、1990年~97年の本社勤務の時は、主に欧米の会計・税務を担当していた。

米国担当の時は、P/E、移転価格、過少資本税制、非課税組織変更等が主要業務だったが、これが今の中国で非常に役立っている。
P/E、移転価格税制等は、米国担当の時の感覚そのままで対応できるし、非課税組織変更というのは、制度は違うが概念はすんなりと受け入れる事ができる。

1990年、僕が中国研修から帰って経理に配属された時に、当時の課長から、「水野が中国をやりたいのは分かるが、会計・税務の先進国は米国だから、まあ、文句を言わずにやってみろ」と言われ、担当となった。
自分としては、回り道の様な気がしたが、その時の経験が、今まさに中国で役立っている。
今中国で展開されているP/E議論は、まさに、米国担当の時に経験した内容そのままだ。
1990年代は、「中国でP/E議論なんてする事はないだろう」と考えていたが、分からないものである。
国際税務に関して言えば、完全に中国は米国が来た道を歩んでいる様に思える。

中国を長い間見ているから分かる事があれば、こうして、他の国の実務を経験したからこそ分かる事もある。
これが中国の変化であろう。
これは、当時の課長の先見の明。
感謝せねばならない。

年末年始の予定と明日香出版の本

中国人のルールのゲラ

来年2月出版予定の、「知りたくなくても知っておかなきゃならない 中国人のルール(明日香出版・販売価格1575円)のゲラを返送した。
これで、4ヶ月連続出版のための作業は、殆ど完了だ。

手持ちの球は殆ど投げ返したので、安心して年越しができそう。
まあ、大晦日まで働くし、1月1日・2日は週末(土日)で、3日からまた勤務なので、スケジュール的には、まったく影響なしではあるが(単なる週末と同じ)、気分的な問題は大きい。

来年は、幾つかやらねばいけない事があるし(新規Eラーニング・ビデオ講座等)、講演会等も今のところ、以下の感じで依頼が来ている。
もっと増えるであろう。

・1月7日(金)在東莞 ジェトロ・東莞市政府定期連絡会に引き続き
・1月28日(金)在浜松 静岡県国際経済振興会主催相談会
・2月4日(金)在静岡 静岡県国際経済振興会主催相談会
・日程未定ながら、旧正月期間中に日中投資促進機構主催講演会企画中
・3月3日(木)在深圳 政策金融公庫主催講演会 
・3月9日(水)在大阪 大阪商工会主催講演会
・3月15日(火)在東京 財団法人企業研究会主催講演会

2011年3月までは、講演会を控える、と言っていた割には、結局、いつも通りの講演会スケジュールになってしまった。
ただ、講演会は、こちらが発信するだけでなく、皆様の声を聞く重要な機会。
できる限り、有用な情報を発信して、有意義な講演会にしたい。

年末はちょっとだけペースダウンして、1月3日から全力疾走開始だ。