「ソフト技術者の反乱」を読む

書店で偶然、「ソフト技術者の反乱」という本を買った。
三井物産を退職して、日本ナレッジインダストリという会社を興した西尾出という人をモデルにした小説だ(買って初めて知ったのだが)。

商社の中で、ソフト開設(システム開発・コンサルティング)をビジネス化し、分社化。
外部からの業務受注を進めていったが、本社の一部幹部よりねたまれ、嫌がらせを受け、潰されかけた為、会社を辞めて、主要な部下と共に起業する、という経緯を書いた小説で、
「何か、自分の身に起こった事が、そのまま書かれているぞ」と、既視観を感じながら、一気に読んでしまった。

まあ、こういう小説は、主人公の目線で書かれるので、どの程度客観性があるか分からず、また、僕自身、西尾出という方に対する知識が全くないので、妥当性の判断はできない。
ただ、この小説を真実とすれば、会社でそれなりに権限を持った人間が、1人の人間を潰そうとする時は、参考書でもあるかの様に、同じ事をするものだな、と感心した。
・子会社の社長となっている人間が気に食わないと、会社を解体して、その人間を自分
の権限下に置こうとする。
・それができないと、社内で悪い噂を流す。
・悪意的な社内監査を入れて、潰そうとする。
・社内監査で不正が見つからないと、独立を妨げる(同一事業を行わない様、圧力をかけようとする)。
・相手が独立しようとすると、それまでは、潰そうとしていた会社を存続させ(競合相手
にしたて)、解雇しようとしていた部下に対して、慰留交渉をする。
という様な事だ。

こんな事態が生じた時に、今までの行動(生き方)が問われるのであろう。
身ぎれいにしていたか、人の立場に立って仕事をしていたか、嘘をつかなかったか、約束をきちんと守ったか、という点だ。
これによって、自分側に付いてくれる人がどれだけいるかが決まるし、どちらに大義があるかも決まる。
何事も、小さな事の積み重ねだ。

ただ、本の主人公は、就業時間外に社員が意見交換する為に、会社としてマンションを2部屋買っていたとか、本社の序列上位の人間が車を持っていないのに、専用車を持っていたとかいう記載があるので、こういう事をしていると、ねたまれても仕方がないかなという気はする。

僕の場合も、「他の社員が、嫌でも与えられた仕事をこなしている時に、自分だけ好きな仕事をしている(自由に行動しすぎ)」とか、「帰任時期が来たら、ごねて、自分の会社を作らせた」、とか、そういう目で見る人もいたのだろう。
本人は、責任とプレッシャーで押しつぶされそうになっていて、リンパが腫れたり、夜眠れなかったりして働いていたのだが、そんな姿を間近で見ていなければ、好き勝手な事をやっている様に思われる(おまけに、その頃は茶髪だ)。
まあ、ねたみを買う人間にも、それなりの理由があるという事だろうか。

ねたみの根源は、「会社のふんどしで相撲を取っている」という意識なのだろうから、それに対する回答を出そうとすれば、「自分でやって(自己責任でやって)」事を成し遂げるしかない。
そう考えれば、独立企業は、「あるべき状態になっただけ」という事だ。

「ソフト技術者の反乱」を読んで、何となく自分の姿を客観的に眺めた気がした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です