迷子やら変なアンケートやら

数か月前の事、上海の古北路x仙霞路から国貿易まで歩いた際、わずか10分程度の間に3人から声をかけられ、「南京から来たが友達に会えず、金もないから200元貸してくれないか」と言われる。
二人目には、「君も南京か。せめて他の場所にしておけよ」と言い、三人目には、「南京中の人間が上海にきて迷子になったのか!」と言いって退散させた。
目的地までは、「もう少し頭使えよ」とぶつぶつ言って歩いたものだ。
まあ、あまり巧妙な手口より、この程度の稚拙な方が微笑ましいと言えば微笑ましいが。

そんな事を思い出していると、大学新入生時代のペテン師の事を思い出した。
新入生は純真なので、街中でアンケートとか言われると、むげに断れないものだ。
入学当時にちょっちゅうあったのが、如何にも同世代(数歳上)の人間から、旅行が好きですか(ついでにどの程度のお金を持ってますか)と聞かれるアンケート。
何のことない、最後に会員制の旅行チケットを買えという話になり、いやだとか金がないというと、「旅行が好きと言ったじゃない」とか、「いくら持ってると言ったじゃない」と、純真な新入生を、理屈で遣り込めて金をとろうという手口であった。
今だったら、「なら問いかけるが、何故、お前の事を信じねばならんのだ」と逆に問い詰めてやるところだが、あの頃は、そういう対応ができなかった。
とは言え、金を払う訳には行かないので、全ての質問に対して暗い顔をして「は~、は~」と10分間言い続けて相手を退散させたり(若造ペテン師は、君暗いんじゃない、とか言い捨てて退散した)、電話番号を教えると言って、流行歌のフリーダイヤルを教えたりして、切り抜けた。

ともあれ、これは可愛らしい部類だが、世の中、若いうちから人をだます人間がいるは嘆かわしいし、自分が世の中にもまれて図太くなったとも感じる。