月別アーカイブ: 2013年2月
信用調査会社の管理条例
昨日は、疲労困憊の状況だったので、機内では、小一時間PCを広げただけで仕事は断念。
今朝、朝一で時事通信の連載原稿を書き上げる。
信用調査会社の条例が、3月15日から施行になるのでこの内容。
個人情報の取得は、大きく制限がくわえられ、宗教・血液型・病歴などの情報取得は禁止され、個人財産や納税状況等も、本人の同意がなければ収集できなくなる。
因みに、法により公開されている情報や、企業の董事・高級管理職の職務履行に関するものは、制限から除外される。
一方、企業情報の取得に対しては、それ程大きな影響はなさそうである。
昨年、一時的に信用調査会社の情報収集が制限され、信用調書の取り寄せに混乱が生じた事がある。
最近は、問題は沈静化しているが、この様な形でルールが制定された事で、円滑な運用が行われる事が期待される。
今日は、最寄りの税務署に行って、確定申告をしなければならない。
そのため、昨晩は、深夜まで証憑書類を整備して、申告書の作成に没頭していた。
これから税務署に出発。
疲れると見る怖い夢
疲労・ストレスがたまると、必ず見る夢が、昔から二つあった。
大学の試験がまったくわからず、卒業できないと焦る夢と、部屋の中に閉じ込められる夢である。
前者は、もちろん大学時代の僕が、ろくに授業にも出ず、合気道ばかりやっていたため、こんな夢を見るのである。
後者は、大学3年生の時にバックパックを担いで1か月弱中国を自由旅行した時に、洞窟のようなホテル(旅社)に泊まる事になり、それが怖かったからである。
最近それに、新しい夢が加わった。
会社で所属している部が潰れ、他の部に吸収されると、僕を含めた吸収された人間たちが、嫌がらせを受けるので(会議に出なくていいとか、仕事を与えられないとか)、それに対抗しようとする夢。
これは、独立起業時のストレスが刻まれているのであろう。
人間の記憶とはこんな感じで現れるものだ。
最近、とある部下から、「水野さんの顔は猿に似てますね」と言われてむっとする夢を見たが、これは、何か深層心理を表しているのだろうか・・・
ただ今キャセイラウンジ。
いつもはヌードルバーでは、担担麺を食べるのだが、今日は違う種類の麺を食べてみた。
さて、日本に移動だ。
日本では、講演会5件。
報道にどう向き合うか
当日の朝、江上編集長に会うと、「僕の記事をブログに書いてくれてありがとうございます」と言われる。改まって言われるとてれる。
これは、中国の昨年のGDPが7.8%成長となった事に対する日中間の報道に関する江上さんの見解を僕がブログで取り上げた事に対してのもの。
江上さんの蘇州での講演内容も同じだったので、興味深く聞いていたのだが、確かに同氏が言われる通り、日本の報道が8%割れ、という点を強調する事で、それ自体は事実としても、日本の企業が向かうべき方向が歪んでしまう危惧はある。
中国自身が、既に、2ケタ成長は不要なので、景気過熱・物価上昇の抑制を行いながら、7~8%の安定した成長を志向していくと発言しており、現在のところはその通りに推移している。
また、中国のGDPは、日本の1.2倍以上になっており、それが7.8%成長しているという事実を、計数的にはまず認識すべきである。
そうすれば、そこにどの様に参入して、利益を上げるかを考えるのが、企業の自然な発想となる。
その前提を踏まえた上で、中国に存在する政治リスクや、今後も上昇するコストという問題を、如何に管理(ミニマイズ)していくかを考えればよい。
一口に海外展開と言っても、製造もあれば、販売もある。
更には、役務やノウハウの提供で利益を回収する事も考えられる。
何れの形態かで、必要な人員、投与する資金、リスクの種類・大きさ等はまったく違う。
この点を、十羽一からげで議論しても意味がなく、今後の事業計画を明確にした上で、どこで何をすべきか分析すべきであろう。
例えば、ASEANで作って中国で売る、というのも一つだし、中国にノウハウ提供してロイヤルティを取るのも一つの方法である。
つまり、必ずしも中国に拠点を作らなくても中国ビジネスはできる訳で、企業は、状況に応じて、どの様に中国、東南アジアと向き合い、利益を極大化していくかを考えればよい。
何れにしても思うのは、10数年前の、中国進出を煽る日本の報道も偏っていたが、現在の東南アジア礼賛の報道も偏っている。
報道の通りに動いても、企業として明るい未来が待っているとは限らない。
結局、企業・個人が、報道を鵜呑みにせず、自分の目と頭で分析し、判断する習慣をつけなくてはならないという事だろう。
短い蘇州滞在でも嬉しかった
昨日(23日)は、朝7時50分に虹橋駅に集合して蘇州に移動。
蘇州日本人会で講演(朝10時~12時半)。
虹橋駅を使用するのは初めてなので、迷っては大変と、朝6時半にタクシーに乗り、7時に駅に到着。
集合は、地下鉄駅のホームなので、それを探して30分歩き回る。
僕が方向音痴な事もあるのだが、なんと巨大な施設だろうか。
今回の共同講演者である、蝶理の井上中国総代表、NNA(共同通信グループ)の江上編集長、当社松本高級顧問と一緒に新幹線で移動。
30分であっさり蘇州に到着。
居眠りする間もない。
江上さんも僕も酒好きなので、深酒して遅刻してはまずい、というプレッシャーで、前夜は酒を控えて早寝した、という点で、行動が一致していた。
思えば、蘇州では、5年以上講演をしていない。
2007年に、蘇州総合保税区が開設された際(保税物流中心B型・輸出加工区から昇格)、蘇州総合保税区の管理委員会・シンガポール工業園区と共同で、お披露目セミナーを開いて以来。
こんな形で蘇州の日系企業の方々にご挨拶ができたのは、大変有りがたい事だ。
昨年末の恵州日本人会での講演に続き、今回もおぜん立てをしてくれたのは松本顧問。
こういうセッティングは、各地の日本人ソサエティとのネットワーク、経験、それなりの年齢がないとできない事で、僕自身でも難しい面がある。
先輩顧問は頼りになる。
蘇州では、土曜日の朝10時からの講演であるにも拘わらず、50人の会場に満員の出席を頂いた。土曜日の朝というのは、僕自身が聞く立場だったら、まず参加しないであろうから、感謝に絶えない。
また、講演会でも懇親会でも、たくさんの方が、僕の著書を読んでくれていたり、講演会を過去に聞いてくれており、温かく迎えて頂けたのは、心から嬉しかった。
懇親会を終えると、浦東空港に車で移動し(2時間半)、香港に移動。
疲労で機内では完全熟睡。
蘇州に
これから蘇州の日本人会で講演。
虹橋駅には初めて来たが巨大で、飛行場の様だ。
1985年に初めて上海を訪問した時に利用した上海駅との違いに感慨深いものを感じる。
昨日までの3日間で、面談14件、宴席2件。
そして、ブルームバーグの電話取材を30分。
目いっぱい詰め込んだスケジュールであったが、クライアント様と交流が持てて楽しかった。
では、出発。
上海市内を動き回る
外高橋保税区、浦東、浦西と動き回り、クライアント様を5件訪問。
19~21日の3日間で12件訪問。
22日はオフィスで会議。
23日は、朝上海を出発して、蘇州で講演。その後、香港に移動。
開業当時を思い出すスケジュールだが、初心に返る意味ではよい事だ。
久々の外高橋保税区だったので、空き時間で、商品市場や保税物流園区を訪問する。
ついでに、マクドナルドで食事。
蘭州ラーメンまでできていたので興味深かった。
ホテル、食堂、コンビニ(ファミリーマートなど)と、ファシリティがこれだけ盛りだくさんの保税区は、他になかろう。
これは、浦東新区の森ビルの53階ロビーからの景色。
こんな景色を見ながら仕事をするのは爽快だろうとうらやましい。
夜便で上海移動
明日から数日間、毎日数件の上海のクライアント企業様を訪問する予定。
移動・外出続きで気が急いて仕方がないが、しっかりとやるべきことをこなそう。
という訳で、ブログアップの余裕なく、今日はこの辺で・・・
立替金決済と東莞の変化
そしたら16日(土)は中国本土が振替出勤だ。
日、中、港のカレンダーの違いで、何やら休み損ねてしまった気もする(9~11日の3連休でかなりのんびりできたからよいけれど)。
16日は、匯発[2010]43号適用の現状に付いて、少々調べていた。
これは、関連企業間の人件費などの立替決済に付いては、US$10万以内は銀行に裁量権を与えるもの。
そのため、例えば、外資企業に出向している日本人社員の、親会社が日本で支払った(立替えた)給与は、US$10万以内であれば、親子会社間で決済可能なはずである。
ただ、実際には、この通知の適用を認めていない地域が多く、立替決済の可否は、不透明なままだ。
上海市は、地方通達(上海匯発[2010]192号)を出して、この問題を既に解決しているが、その他の地域では、引き続き運用面で解決しなくてはいけない状況。
その中で、東莞市の外貨管理局が、今年に入って、匯発[2010]43号の適用を認める通知を出したのはちょっと興味深い。
東莞市と言えば、10数年前の状況を知っている身としては、法律と運用がバラバラというイメージが強く、今でも、外資生産型企業にはUS$100万、外資商業企業にはHK$300万(なぜ通貨が違うのかは不明)という、最低資本金のローカルルールを設定するなど、独自路線を歩んでいる印象が強い。
ただ、来料加工廠の独資転換では、転換作業に関する認可手続・税務・外貨管理等の扱いに付いて、外深圳以上の法整備を行ったりなど、最近、変わりつつある感もある。
今回の外貨管理通達も、その印象を強くするもので、東莞は変わっていくのだろうかと興味深く思う。
この点をまとめて、クライアント企業様に配布する予定。
話変わって、ここ数日ダイエット。
走って、炭水化物の摂取を控えている程度だが。
正月、旧正月に食べ過ぎて、ズボンのボタンがかなりきつくなってきたので悩んでいる余地はない。
昨日は、朝抜き(何時もの通り)、昼は麻婆豆腐を作って食べ、夜は外食(火鍋&バー)。
しばらく前から麻婆豆腐を作りたかったので、日本出張時に豆板醤、甜麺醤、豆鼓醤を購入した。
意外に上手くできた(見てくれは悪いが)ので満足。
夜は、バーでウィスキー、マティーニを飲みながら0時過ぎまで雑談。
ある社長の過去ネタで、笑い過ぎるほど笑った。
まさに稀代のエンターティナーだ。
若干飲み過ぎたが、笑って飲むと酒が美味い。
数字と表現
計数を元にした分析で、双方正しいのだが、日本の報道が8%を割り込んだことで、「中国の経済は悲観的」というニュアンスを込めるのに対して、中国の報道は、7.8%成長した、という面を強調するので、読み手に、「中国の経済は安泰だ」という印象を与える。
同じ計数を使用し、正しい事を書いても、ニュアンスが天国と地獄の様に別れるので、執筆側・読者側の姿勢と理解を磨く必要があるという意見、まさに同感である。
ただ、日本の報道のニュアンスは、中国関連に限ってのことではなく、日本国内の報道でも同様であるように思える。
例えば、毎年2ケタの増収(売上増)を続けている企業が、ある年、前期比8%増となった時に、「○○社の販売成長が前年比悪化。成長にかげり」という様な記事がでるのを見たことがある。
記事を読めば、利益も確保しており、増収ながら伸びが鈍化しただけである事が分かるのだが、タイトルだけ読むと、その企業が減収、若しくは、赤字になったような先入観を読者に与える。
また、ビジネスマンが1日に読む情報は極めて多いので、よほど興味を持った記事でない限り、記事の内容は頭から消え去り、タイトルだけが記憶に留まる事になる。
それを前提とすると、このタイトルのつけ方は、「間違っていはないが不適切なのではないか」という違和感が残った。
結局、前期比の伸び「率」の増減で、成長・悪化を判断されると、例えば、新興企業が、小さい規模でビジネスを開始し、規模を拡大している過程では、メディアが応援に回るが、引き続き成長過程にあっても、伸び率が鈍化すると、記事の表現が一転してアゲンストになり、足を引っ張られる形になる訳だ。これは辛かろうと思う。
特殊な事情がない限り、増収・増益を続けている状況下で、ネガティブな表現をするのは不適切ではないか。
僕自身、経理畑が長く、計数を使用した各種資料を作成した経験がある。
その時、無機質な数字の羅列の中から、どこを選定するか(どの数字にスポットライトを当てるか)で、選定者の意図が如実に反映される事を実感し、計数選定の公平性と、表現の客観性を自分に対して戒めた。
これは、どの経理マンも同じであろう。
数字を扱った事がある人間は、数字の怖さを知っている。
ビジネス界では、扱い方次第で、数字を凶器に変える事ができるからだ。
これが、数字を扱う側の姿勢であろう。
一方、読み手側に求められるのは、正しい事(間違いではない事)と適切な事は必ずしも一致しない事実を認識し、記事・報告書を自分の頭で分析する習慣をつける事であろう。