結局相手も同じように見ている

上海で元同僚と話していたら、先日、駐在員向けに異文化理解に関する講習があり、講師が、「日本人と中国人(他の国でも同じ)に、相手の悪い点に関するアンケートを取ると、トップ10の大部分が同じ結果になる」という説明をしたと言っていた。
つまり、日本人の中国人に対するネガティブ評価の高順位に「中国人は働かない」という内容が有ったとすると、中国人側のアンケートでも「日本人は働かない」という評価が高順位にくるという事だ。
これは大変興味深く、また、納得できる話であった。
同じ日本人でも、駐在員、現地採用、バイト、業務委託など、置かれた立場や条件が異なれば、発想は変わってくる。
文化・民族が違えば、その差はより鮮明になる。

僕の身の回りには、非常によく働く中国人が多数いる。
弁護士、提携先のコンサルティング会社、僕の会社の総経理クラスなど、毎日夜まで働いているし、こちらの質問には、夜10時になっても11時になっても、その日のうちに返信しようと努力してくれる。
一方で、日系企業で働いている社員の中には、ほとんど働く意欲が見られないような社員がいる事実も理解している(意欲にあふれている社員もいるが逆もいるという事)。

どの様に働くか、何をモチベーションとするかは個人差があるので一概には言えないが、総じて、頑張りによって報酬・ポジションが大きく変わる条件では、中国人は良く働く。
一方、頑張っても報酬にあまり差が出ない、責任あるポジションに付けないと分かると、中国人は途端にやる気をなくす。
頑張ってどんなに業績を上げても、副課長、副部長、社長補佐にしかなれない(ライン長になれない)。更に、報酬も標準と10%くらいしか違わないという環境では、どの国民でもやる気は出なかろうが、日本人は、その状況でも、それなりに良く働くので、平均値は日本人に分がある。
ただ、「これは真似できない」という、凄まじい馬力・貪欲さを発揮する人間の比率は、僕が出会った中では、中国人に分がある気がする。
この様な違いがあるのだが、人間というのは、相手の悪い部分ばかりが目につくので、その結果、お互い「こいつら働かないな」と感じる結果となるのであろう。


また、終身雇用が前提になっており、任期が終われば日本への帰任を前提とした駐在員と、期間限定契約を前提として働く現地採用社員とでは、価値観や働き方が異なるのは当たり前だ。
親会社組織の中での出世を前提に働く事を駐在員は考えざるを得ないので、親会社に対する報告業務が重要なウェイトを占めるが、現地雇用の立場から見れば、それは仕事とは評価できない。
現地雇用の前提に立てば、終身雇用が保障されない以上、短期的な経験・報酬の引き上げを重視せざるを得ないが、その姿は駐在員からは身勝手だと映る。

ただ、確実な事は、立場の違いが有っても、日本人、中国人、更には、雇用形態を問わず、モチベーションを持って働く環境を作らないと、組織は良くならない事だ。
そのために、自分の基準ありきで見るのではなく、お互いの置かれた立場、条件の違い、価値観を客観的に分析し、システムを作っていく必要がある。
立場、雇用形態が異なれば、価値観が違ってくるのは必然で、まずは、価値観の相違を冷静に分析する。
その上で、相手の価値観を否定するのではなく、理解した上で、モチベーションを引き出すシステムを作る事が必要だ。
重要なのは、偏見(負の先入観)を捨てる事から始めなければいけないという事。
偏見は良い組織を作る上で、最大の障害になる。
加えて言えば、僕は偏見ほど嫌いなものはない。
人間である以上、完全に偏見から解放されているとは言えないが・・・

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