顔が変わってきた

ここしばらく、会う人から顔が変わったとよく言われる。
確かに、いつも使っている6年前の写真とはずいぶん顔が違ってきている。
以前は、年齢よりずいぶん若く見られたものだが、現在では年相応、という感じがする。

2007~2009年にかけて、随分苦労したので、それが顔に現れたのかとも思うが、変化を分析してみれば、純粋に見た目年齢が上がったというよりは(上がったのは確かだが)、会社を経営する人間の顔になってきた、という気もする。
良い意味でも、無邪気な表情ができない、という若干悲しい意味でも。
やはり、状況・環境が顔にも表れるのであろう。
昔から、責任を持って仕事をしてきた、という自負はあるが、仕事の責任だけでなく、社員の雇用、生活、会社の今後の方向性など、考えなくてはいけない事が増えているのは確かで、考え込む事はいくらでもある。

複雑な気分ではあるが、これも年齢と共に自覚と覚悟が顔に表れてきたと、前向きに考える事にしよう。


チャーリーブラウンカフェ

チムサッツイのチャーリーブラウンカフェの前に、チャーリーブラウン人形があったので、一緒に撮ってみる。
小学校3年生の頃からのピーナッツファンとしてはなんとなく嬉しい。
入店はしなかったので、次回入る事にしよう。
そんな事を思い続けて10年くらいたつのだが。

今日はこれからまた飛行機。
今月(5月)は飛行機10回。
さすがに乗りすぎだ。
来月以降はもう少しゆとりのあるスケジュールにしよう。

明後日(24日)は、東京で、日本香港教会主催の講演会。

香港到着moon stone閉店パーティー

19日(土)に、上海から香港に移動。
浦東第一空港で、出国手続き前に、シャロンに行く。
この場所のシャロンに行くのは初めてだ。

ゲート前の(出国手続後の)シャロンのカツカレーがカレー丼になっており、白いご飯部分がない状態なので、僕の好みには合わない。
こちらのシャロンは、昔のままだといいなと一縷の期待を抱いて入ったら、期待通り昔のままだ。

飛行機は定刻通りに搭乗になったが、最初は上海空港の混雑のため、その次は、香港の雷のため、という事で、2時間近いディレイ。
ただ、機内でNNAの連載とブログ原稿が書けたので、まあ良しとしよう。
香港到着は夜7時。

空港から、行きつけのバーであるmoon soneに直行。
残念ながら閉店となる様で、19日は閉店パーティーであった。
HK$200で飲み放題状態。
安半から差し入れの豪華な刺身などもあり、なかなか豪華なパーティーに。
午前2時まで食べて飲んで、帰宅。

起業家の方に質問されて

この10日間、香港、上海、日本で、新しく社会人になった方、起業したての方と、何人も会って話をした。
そこで、「起業して事業を立ち上げるのに、一番大切な事は何ですか?」という質問を頂いた。
その方が聞きたいのは技術的な面だったので、前にも書いた事だけれど
・情報は発信するところに集まる
・ニーズを探してそれを埋めるのがビジネス開拓
・自分の強みを探す
・分析して状況が特定できれば、解決策は探せる筈
という点を説明した。
現状分析、というのは、例えば、僕が商社の財経マンとしてコンサルティングを始める際に、企業内の管理部門の人間が、弁護士・会計士より有利な点を考えた様な事。
自分の強みと弱みが客観的に把握できれば、強みを活かせる方法が考えられる。
更には、前に上司から教えられた、大手企業を辞めた人間が成功しない理由。
一般的には、看板、信用と言われるが、「信用」の持つ意味を分析し、対応策を考えれば、これを克服する方法は自ずと探せる筈である。
つまり、一般的に言われている事を、「そうか。難しいのか」と鵜呑みにして立ち止まってしまうのではなく、困難の所在を分析する事が必要だ。

ただ、精神的な話だけれど、起業早々は、爆発的なパワーと、強い意思(覚悟、と言った方が良いかもしれない)が必要で、この要素はすごく重要である。
卑近な例で恐縮ながら、会社を辞めた途端、会社契約で借りていた家は出なければならず、携帯電話も解約され、会社から受けていた住宅ローンは一括返済が必要。
当然、しばらく収入がゼロになる上に、銀行融資は受けられない。
僕の場合は、自分の生活だけでなく、前の会社の部下が望めば、同一雇用条件で全員を受け入れる約束をしていたので、金銭面の不安は多大であった。
更には、過去に使っていたHP、データ、情報、顧客とのアクセス等、それまでのノウハウの使用も制限される。
つまり、会社を辞めた途端、今まで受けていた便益や、それまで培ってきたものが、瞬時に無くなる訳で、この障害を、ともかく跳ね除けなくては生き残れない。

僕は、怒りと不安と感謝の気持で、一番苦しい最初の一年を乗り切った。
会社をまず軌道に乗せるためには、こんな精神的な要素が、若しかしたら、一番重要かもしれない。

こ熊やから衡山路の前の部屋に

昨日まで上海。
久々に、准海中路に足を延ばし、こ熊やで会食。
古北で生活していると、前の生活圏(茂名南路、衡山路)に出かける機会がとんとなくなってしまっているが、行けばさすがに懐かしい。
茄子の胡麻和え、茄子揚げ、落花生豆腐、トンカツタルタルソース、地鶏の塩焼きを食べながら、サントリー角瓶をお湯割りで楽しむ。
そのあと久々にCI5に行くが(有馬さんが北海道に帰ったので、足が遠のいてしまっている)、グラスワインに口をつけたところで、三井さん(NNA)が、「さっきのウィスキーが効いてきて気持ち悪いです」と、継続断念宣言。
10時には会食が終わってしまった。
そのまま帰る気にならず、昔住んでいたアパートまで歩いていく。
酔い覚ましがてらの15分程度の散歩だ。

華南でコンサルティングを開始した僕が、上海に拠点を持ったのは2006年の事。
丸紅出資ながら、社内ベンチャーという意識が強かったので、当時の丸紅の単身者の家賃限度額の16,000元/月をあっさり無視して、安さを追求して決めたのがここ。
家賃は3,000元だった。
今から考えると、物件の割には高かったような。
ただ、当時駐在員の間では変人扱いされたり、スタンドプレーだと言われたりしたけれど、上海にビジネスを構築するまでは贅沢はしない、と自分にプレッシャーをかけるためにも、通常の家賃限度を参考にするつもりは全くなかった。

写真は、過去に撮りためてあったものだけど、
これがエレベーターの中。
そして下がエレベーターホール。

ただ、良いところに住むために頑張るんだ、というモチベーションにはなった。
また、起業した時、杉山君や上海総経理の胡さんから、僕に着いて行こうと決めた理由の一つとして、僕がこういう姿勢(稼ぎがないうちは贅沢しない。駐在員の福利厚生にこだわらない)を見せたのも、一つの要素になっている、という話をされた。
それだけでも、やってよかったなと思う。

結局、この部屋には、2006~2008年まで住んだ。
前の出資部門から指名された後任社長は、「水野の部屋は丸紅契約だから、会社を辞めたら出てってもらわないと」と言ってたけど、さすがにこの部屋を見たら絶句していた。
結局、住む人間がいないので、即解約となった模様。


いまは、上海でしっかりとビジネスを構築しているので、さすがにもっと良いところに住んでいる。
ただ、あの部屋が、僕の上海ビジネスの原点だったという意識が強い。
あの頃は、何であんなに意地を張っていたんだろう、と不思議にもなるが。
孤独の中、そして、ろくに暖房が効かない部屋で、冬の寒さに震えながら、「上海は後発参入だけど、絶対ビジネスを開拓してやるんだ」と誓った事を、懐かしく思い出す。
だから、初心を忘れそうになった時は、今でもつい衡山路に見に行ってしまう。

迷子やら変なアンケートやら

数か月前の事、上海の古北路x仙霞路から国貿易まで歩いた際、わずか10分程度の間に3人から声をかけられ、「南京から来たが友達に会えず、金もないから200元貸してくれないか」と言われる。
二人目には、「君も南京か。せめて他の場所にしておけよ」と言い、三人目には、「南京中の人間が上海にきて迷子になったのか!」と言いって退散させた。
目的地までは、「もう少し頭使えよ」とぶつぶつ言って歩いたものだ。
まあ、あまり巧妙な手口より、この程度の稚拙な方が微笑ましいと言えば微笑ましいが。

そんな事を思い出していると、大学新入生時代のペテン師の事を思い出した。
新入生は純真なので、街中でアンケートとか言われると、むげに断れないものだ。
入学当時にちょっちゅうあったのが、如何にも同世代(数歳上)の人間から、旅行が好きですか(ついでにどの程度のお金を持ってますか)と聞かれるアンケート。
何のことない、最後に会員制の旅行チケットを買えという話になり、いやだとか金がないというと、「旅行が好きと言ったじゃない」とか、「いくら持ってると言ったじゃない」と、純真な新入生を、理屈で遣り込めて金をとろうという手口であった。
今だったら、「なら問いかけるが、何故、お前の事を信じねばならんのだ」と逆に問い詰めてやるところだが、あの頃は、そういう対応ができなかった。
とは言え、金を払う訳には行かないので、全ての質問に対して暗い顔をして「は~、は~」と10分間言い続けて相手を退散させたり(若造ペテン師は、君暗いんじゃない、とか言い捨てて退散した)、電話番号を教えると言って、流行歌のフリーダイヤルを教えたりして、切り抜けた。

ともあれ、これは可愛らしい部類だが、世の中、若いうちから人をだます人間がいるは嘆かわしいし、自分が世の中にもまれて図太くなったとも感じる。

若いころ

昨日日本から上海に移動。
今回もお馴染みになった東方航空の格安チケットを使用するので、香港⇒上海⇒日本⇒上海⇒香港の経路で移動。
日本は3泊と短い滞在であった。

ただ、キャセイ・ドラゴンのGold Tierステイタスを維持するために、6~8月末の3ヶ月で8回キャセイ・ドラゴン(若しくは、JAL)に乗らないといけない。
Gold Tierだと、72時間前までに予約すれば、エコノミーの座席保証という特典があって、「どうしてもこの日に移動したい!」という局面で、大きな威力を発揮する。
この更新は絶対事項なので、暫く東方航空とはお別れだ。

話変わって。
空港に行く前に入った食堂で、森田公一の青春時代がかかっていた(ラジオ)。
僕が小学校時代の歌なので、随分昔懐かしい歌だ。
それを聞いて、中学時代の英語の先生が、「青春時代が夢なんて~というのは、本当によく言ったもんだ。自分がその最中に在る時は辛いばかりで、過ぎ去ってはじめて、あの頃は良かったなぁと思うもんなんだよ」と言っていたのを思い出した。

確かに、僕自身、学生時代は、何時も悩んだり焦ったりしており、辛かったし満足感は無かった。会社に入って、数年後(入社4~5年目になって)に、それなりに楽しい気分も出てきたが。
そんな訳で、学生時代はあまり懐かしくなく(戻りたいと思う事はなく)、生活や仕事の満足度・充実度は、おそらく、今が一番だろう。
学生時代とは比較にならないくらい充実している。
今後は、充実・満足度がさらに増していくのであろう。

その一方、齢を重ねるごとに、将来の選択肢が少なくなる事は確かなので、この意味で、息苦しさや辛さを感じる事もある。
若手時代は、その逆だ。
何時も鬱々悶々としていたが、可能性と選択肢は無限にある気がして、目の前の景色が、すごく明るく透明に感じた。
それがいわゆる青春時代ってやつなのであろう。

まあ、時計を戻せない以上、今、そして将来の満足度、充実度を、上げていく事しかできない訳で、昔を懐かしんでしかたがないが。


経費の優先順位

独立起業から3年半経過して、顧問先も270社と、起業前(丸紅のコンサルティング会社時代は210社)より増加し、会社も安定してほっと一息、という感じがする。
ただ、収入増の後には必ず経費増が付いてくるので、いつまでたっても楽はできないな、というのが正直な気持。
会社も人間と同様、自然に成長するもので、経営者と言えども、その成長に従わざるを得ない面がある、というのを実感している。

ただ、収入の中からどう経費を使うかという付いては、僕なりの優先順位がある。
まず優先するのは人件費。
これは、コンサルティング会社は人が最大の財産であり、人材の充実が顧客に対する安定サービスの提供に繋がるので当然だ。
業務提携先に対するフィーも、同様の理由で重要だ。
やはり、人との関連を作る経費が重要。

それに比べると、オフィスに対するこだわりは希薄だし、飛行機は年間80回乗っているが、良い座席(ビジネス・ファースト)に乗らなくても我慢できる(乗りたい気持ちはあるが、余裕ができてからでよい)。
まして、社有車というのは、おそらく今後も持たないと思う。

僕が丸紅厦門所長時代(香港駐在ベースで兼務)、前主管者が購入した高級な社有車を巡って、絶えず(誰が使うかの)けんかや噂話が飛び交い、最後は、片腕だった所長代理が、社有車を運転して事故死する、というトラウマとも言える記憶がある。
僕が所長になった時、すぐ売却を検討したものの、少なからぬ売却損が出るので、売るのをためらっているうちに起きた事故だった。
あの時は、早く売っておけばよかったと反省したものだ。
社有車が、特定の人間の権利になったり、見栄や羨望の象徴になったりするケースを、過去にたくさん見てきて嫌だった。
タクシーの利用で、特に不便を感じる事もないので、僕が元気に飛び回れるうちは、社有車は購入しないであろう。

経費を増やすにしても、不公平感や権利意識に繋がりやすい経費を増やすのはできるだけ避けたい。

講演会ご案内(中国現地法人運営の潜在リスクと対処法)

6月7日に、森浜田松本法律事務所・江口拓哉弁護士、United Achievement鈴木康伸会計士と講演会を開きます。
2007年、日本、香港、上海で開催して好評頂いた、3人のパネルディスカッション形式の講演の第2弾です。
中国での現地法人運営(運営・組織変更・利益配分)に関して、潜在するリスクとその対処方法を、実務、法務、会計税務の観点から解説します。
お申込み、お問合せは info@chasechina.jp (担当:横幕)まで、E-mailでお願い致します。
また、弊社会員様、各講師のお客様は優遇価格をご提供させて頂きますので、その旨、お書き添え下さい。

日時: 2012年6月7日(木) 13:30~16:30 (受付開始13:15)
会場: T’s渋谷フラッグ7階 ROOM 7M
   (東京都渋谷区宇田川町33番6号 TEL:03-5457-7881)
講師:Mizuno Consultancy Holdings代表 水野真澄
   United Achievement 鈴木康伸 会計士
   森浜田松本法律事務所 江口拓哉 弁護士
受講料:一般5,000円/1名様
定員:80人 ※定員になり次第、締め切らせていただきます。

会社組織に関する潜在リスクと点検事項
1.現地法人に潜む諸問題
① 会計帳簿に現れない潜在損失(立替、未収、処預け)、
② 外貨消込残の不一致、保税品の不照合、免税保税輸入設備の不照合
③ 特殊な営業許可の更新リスク、董事等の登記変更漏れ、
2.土地使用権の処分可能性
① 使用中の土地使用権に関する問題(集体土地・無償割当土地使用権による現物出資)
② 珠江デルタ型来料加工廠が使用する土地の問題と継続使用可能性
③ 遊休地の転貸の可否と法的リスク

組織変更に伴う潜在リスクと点検事項
1.持分譲渡

① 持分譲渡の注意点(持分譲渡対価の決済、持分変更時の手続)
② 持分の評価(時価算定方式)と課税の繰り延べ(特殊性税務処理)
③ 持分売買時の潜在リスクの点検方法
2.合弁契約の解消
① 経営期間満了の際の処理(土地使用権・設備等の譲渡、既存商権の譲渡等)
② 合弁解消時に想定されるパートナーとの交渉事項
③ 新しい合弁契約に移行する際の留意点(Framework契約の検討)

日本・中国間の利益配分に関する潜在リスクと点検事項
1.日本に対する利益還元モデルと送金手続

① コミッション、フィー、ロイヤルティ等の送金方法
② 契約書の策定と政府機関での登記
③ 送金に伴う課税と発生しうる課税上の問題点(税務調査・PE課税等)
2.利益配分の適正水準
① 利益配分の適正レベルの考え方
② 移転価格、寄付金認定リスクと対応方法
3.日中間の立替金精算に関する外貨管理と課税上の問題点
① 日中間の立替金決済の外貨管理と対応方法
② 駐在員給与の精算とPE認定

流通税改革試行措置のゼロ税率

日本到着。
ちょうど気候がよくほっとする。
昨日は、週末恒例のNNAの原稿書き。
2回続けて、上海市で試行されている流通税改革の増値税ゼロ税率適用公式に付いて解説した。

サービスに対する増値税課税の輸出免税・ゼロ税率に付いては、昨年末の「課税サービスが増値税ゼロ税率及び免税政策を適用することに関する財政部 国家税務総局の通知(財税[2011]131号)」に原則的な考え方が示されている。
具体的な計算方式の公布が予告されていたゼロ税率はさておき、免税措置に付いては、131号を参照すれば考え方が分る筈だが、現時点では、ゼロ税率だけでなく、免税措置も適用されていない。
つまり、131号では、コンサルティング役務の場合は、顧客の場所で輸出に該当するか否かを判定する事が規定されているので、(例えば)日本企業からコンサルティングフィーを受領すれば免税措置が適用されてしかるべきだが、実務上は、所管税務局が、取りあえずは課税取引として計算すべしと指導している。

この状況下、ゼロ税率適用に関する実施規則である、「営業税の増値税への課税変更試行地区において増値税ゼロ税率を適用する課税サービスの税額控除還付管理弁法・暫定(国家税務総局公告2012年第13号)」が、4月5日に公布され、物流業に関してのゼロ税率適用(輸出還付の適用)が始まる環境が整いつつある。
これを機に、ゼロ税率・免税措置、共に適用される事が期待される。

中国ビジネスを長くやっていると、法律が出ても、実際に適用実例を確認するまでは信用できなくなってくる。
疑い深くなったものだと感じるが・・・