なぜこの時期に非貿易項目規制緩和?

一昨日は、夜7時半に香港到着。
直接帰宅したかったが、今回の香港滞在が1日半(金曜夜着、日曜昼発)しかなく、税務申告期限も近づいている。
このタイミングで署名しないと、税務申告に間に合わないので、水嶋さんに会計監査報告書、税務申告書、支払小切手などを準備して、僕の到着を待ってもらっていた。
夕食を取りながら、50か所くらいに署名。
家に着いたら11時で、そのまま眠ってしまう。

昨日は、朝10時からクライアント様の質問に回答し、NNAの連載原稿を書く。
土曜日で休みたかったが、7~8時間働きづめ。
この1年で、貨物代金決済改革、直接投資(資本項目)規制緩和、保税区外貨管理規則の変更、増値税制度の改定等、ともかく制度変更が多く(影響の大きい制度変更が矢継ぎ早に行われている)、その把握に追われる日々が続いている。
連絡原稿執筆のネタに事欠かないのでよい、という面があるのは確かだが、僕の本や講演会のレジュメの内容を、絶えず変更しなくてはならないので、(当然、クライアント様からの質問も続くし)絶えず追われている様な息苦しさを感じるのは確か。

今回の非貿易項目外貨管理の改定(匯発[2013]30号、国家税務総局・国家外貨管理局公告2013年第40号)は、思った以上に、影響が大きそうだ。
基本的には規制緩和で、US$5万以内の非貿易項目に関しては、税務局の事前審査が不要になるというもの。
ロイヤルティの送金根拠となる匯発[2002]29号、US$3万超の送金に関する税務局名取得義務を定めた匯発[2008]64号など、影響の大きい法規が廃止となる。
法律をそのまま読むと、ロイヤルティの商務主管部門での登記が、制限分類以外は免除される、グループ間の立替金決済制限が緩和される等の規制緩和があるように思えるが、これは、その他の法律も合わせた縫合的な判断や、実務運用状況を確認しないと断言できない。
また、US$5万という単位も、現在のUS$3万のとらえ方と、若干違う様な気もするが、この点も取り急ぎ検証しないといけない(実務面の問題が考えられる)。

ともあれ、税収確保のための税務調査が続いている現状で、非貿易項目の規制緩和(日本企業など、外国企業への対外送金が容易になる)を実施する事に付いては、僕自身としては少々違和感がある。
ただ、これは、貨物代金(経常項目)⇒直接投資(資本項目)⇒非貿易項目(経常項目)という、外貨管理の全体的な規制緩和の流れととらえると、腑に落ちる部分もある。
あとは、法律と実務の関係に注意が必要であろう(法律緩和、実態規制強化という様な運用がないか、という点のウォッチ)。

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