深夜の呼び出し話続編(20代の頃にあった話)

昨日、夜の呼び出しの話を書いたが、それで思い出した若手時代の話。

20代後半の頃に、僕は早稲田に一人暮らしをしていた。
入社4年目の時に海外研修から帰ってきた僕は経理部に配属された訳であるが、当時、経理業務は初めてだったので、右も左も分からない。
そんな訳で、当時の新入社員の連中と、つまり、3年次下の連中と(状況が似通っているので)気があってよく飲みに行った。
会社は竹橋(東西線)だし、僕が早稲田(やはり東西線)に住んでいるので、飲む場所はいつも高田馬場である。

若かったのでよく飲んだし、特に、新入社員は学生時代の名残がある。
べろべろになるまで飲んで、僕の部屋に泊まる人間が多かった。

時には、彼らが先に飲み始めて、僕の部屋に呼び出しの電話をかけてくる事もあった。
携帯電話がない時代なので、呼び出しは家の留守電話ある。
ある時、夜の0時過ぎに帰ると、部屋の留守にすごい数のメッセージが入っていた。
誰かと思えば新入社員の連中である。


(最初のメッセージ)
「水野さん●●です。いま、馬場のいつもの店で誰々と飲んでいます。もしよろしかったら顔を出してください。お願い致します(いたって丁重)」。

(1時間後のメッセージ)
「まだお帰りでないようですね。暫く飲む予定ですので、早めにお帰りになったらご連絡下さい。電話番号はxxxです。待っております。よろしくお願いいたします(まだ丁重)。」

(それから数本のメッセージがあって、3時間後くらいのメッセージ)
「水野さ~ん。まぁだですかぁ。何やってるんですか。来てくださいよお(かなり砕けた口調)」

(更に、30分後くらいのメッセージ)
「(奇声と共に。声は裏返っている)お~い!水野~!どうした~!!早くこ~い!!」

(最後のメッセージ)
コメント無しで、留守電から延々と聞こえる、南の島のかめはめは大王の合唱

「カメハメハ~、カメハメハ~、カメハメハ~(延々と続く)」
(途中で切れて)ツー、ツーという機械音。

酔っていく過程が大変よくわかって楽しかったが、なんともむなしい気分になったのも確かであった。


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