増値税輸出還付を打ち切られた財貨を輸出したら(確認結果)

7月2日のブログ。
増値税の輸出還付が打ち切られた品目を輸出した場合、増値税の扱いはどうなるかという点に付いて、税務局、貿易会社数社にヒアリングを行った。

先ずは、浦東税務局の輸出還付科に問い合わせ。
回答は、「輸出貨物税還付(免除)の若干の問題に関する通知(国税発[2006]102号)」の通り。
つまり、増値税輸出還付が適用されない品目に付いては、輸出に付いても、国内取引と見なして増値税を課税する。一方、仕入控除が適用できる、というもの。
勿論、海外バイヤーに、増値税を直接請求したり、増値税発票を渡したりというのは考えにくいので、原則としては、増値税分を輸出FOB価格に乗せる必要がでてくる。
その上で(17%の税率が適用されるものに付いては)、
販売増値税額=(輸出FOB÷1.17)x17%
という感じで、増値税額を割り出し、一方で、仕入に際して支払った増値税額を控除して差額を納税する事になる。

ただ、貿易会社数社に聞いたら、(少なくともヒアリングした会社は)どこもこの扱いを知らない。よって、販売増値税を計算せず、仕入増値税の還付・控除を放棄しているだけ、という対応をしていた。
それで実務が回っているという事は、規定と運用の差があるという事ではある。
但し、増値税関連規定に基づけば、90日以内に仕入増値税の控除申請をしないと、控除権が喪失してしまうので、上記の処理の違いを、後付で税務局に指摘されると、「販売増値税はとられるわ、仕入控除はできないわ」という、踏んだり蹴ったりという事態に陥る危険性がある。
この点、会社の会計担当者は、所管税務局と処理方法の確認をしっかり行うようにした方がよいであろう。
ころころ変わる増値税規則の落とし穴という感じの規定であった。