ポイントは、第5条に、「公告公布日(2007年7月23日)時点で貿易権を取得していない東部地域の企業に対しては、制限分類に関する加工貿易申請を受理しない」と規定されている点である。
この公告に際しての、記者発表(商務部産業司)では、以下の発言が行なわれている。
① 東部地域の既存企業は、制限分類の加工貿易業務を継続できる。但し、保証金管理の対象になる。
② 東部地域で、公告公布後に貿易権を取得した新設企業は、制限分類加工貿易業務には従事できない(非制限分類加工貿易業務のみ従事可能)。
③ 東部地域で過去に加工貿易に従事した経験がある貿易権を持たない企業(貿易会社経由で加工貿易を行なっていた企業で、来料加工工場が主要な対象となろう)は、公告公布後3ヶ月以内に商務主管部門に貿易権の取得申請を行い、一定期間内に貿易権を取得すれば、今後も制限分類の加工貿易業務に従事できる。
④ 輸出加工区、保税区等の税関監督区域の新設企業は、この制限を受けない。
と言う事は、
1.東部地域にこれから会社を設立する場合は、制限分類の加工貿易はできなくなる。
東部地域の保税区・輸出加工区に会社を設立するか(キャパが少ない)、中西部に会社を作るしか選択肢がなくなってしまう。
⇒ 保税区・輸出加工区のキャパが既に不足しているので、新規案件は用地選定(進出地の決定)に苦慮しそう。
2.珠江デルタの来料加工工場は、3ヶ月以内に貿易権の取得申請をしなくてはいけない。
そうしないと、制限分類の来料加工ができなくなる。
⇒ 珠江デルタ式来料加工は、三来一補形式の特殊な登記を行なっているのが通常。
この形式で、貿易権が取得できるのであろうか。
できないとすると、制限分類の場合は、来料加工の継続ができなくなるのであろうか。
という問題が生じる事になる。
最初に公告を読んだときは、何の気なしに読んでしまったが、よく考えればこれはかなり重要な内容で、広東省を中心に、かなり混乱が生じる事が予想される。
上記の解釈・対応を、早速行なわなくてはならない。