19年前のクリスマスイブ

今日はクリスマスイブだ。
昨今のクリスマスイブというのは、特に、すごいイベントではないと、数日前に元同期が語っていたが(同期も僕と同い年だから、既にイベントに疎遠になっているだけかもしれないが)、僕が20代の頃は、バブルで大変な騒ぎだった。
ちょっとしゃれたレストランは、数ヶ月前から予約で一杯。
高いプレゼントを、競って買っていた時代だ。

いつも残業していても、イブくらいは、無理にでも用事を作って早く会社を出る人ばかりで、僕も取りあえずそうしていた。
ところが、28才の時、どうしても約束が入らない。
致し方ないので(?)残業したら、200人くらい入るスペースに、男が3人だけ、という稀に見る状況。
夜10時に会社を出て、11時まで開いている近くのスーパーで弁当でも買おうと思ったら、いつもは、天丼・かつ丼・お惣菜と並んでいるコーナーは、パーティー用の料理(チキンバスケットとか、そういうたぐい)のみ。
已む無く、ラーメン屋に行って、(忘れもしない)麻婆ラーメンを食べていたら、店の主人に、「お客さんダメだよ、こんな日に男一人でラーメン食べてちゃ」と言われてぎゃふんとなった。
とは言え、残業あとにラーメン屋で飲むビールは、それなりに美味しかったが。

あれから約20年。
十数年ぶりに、日本で過ごすクリスマスイブ。
特にイベントはないが、取りあえず、日本での仕事も順調に終わったし(週明けに香港移動)、平和な気持の一日だ。

酒飲みの環境

学生の頃から酒を飲む環境に身を置いている。
大学時代は合気道だ。
これはまさに、「飲める人間は偉い」という価値観を植えつけられてしまった。
そして、商社。
「γ-GTPは、200を越えたら心配すればいいんであって、100代は全く正常値だ」というのが共通認識になっている社会である。なんとなく、そんなもんかと思ってしまった。
勿論、これは正しくないが。

そんなこんなで、毎日飲むというのが習慣になっていた20代・30代であったが、最近、飲まない日もつくる様になってきた。
先週末は、3日連続で飲まなかったし。
意識的というよりは、さして飲みたくない日は、条件反射で飲まない様になってきた。

まあ、当たり前と言えば当たり前な話で、威張る様な話ではないのであるが、ちょっと成長した気がする今日この頃だ。

話は変わるが、僕は、自由な人生を送っている様なイメージを持たれると思うのであるが(スナフキン的?)、確かに、この数日のブログを見ていると、我ながら楽しげな感じだと思う。
飛行機搭乗回数は年間60回程度。
電車や船は数知れず。
移動続きの中で、たくさんの人に会い、色々な物を食べ、色々な話をし・・・
辛い事もあるけれど、それでも楽しい人生を送っているのは確かだな。
と思う。

日中投促中国実務セミナー

提携先の日中投資促進機構のセミナーご案内です。
毎年恒例の、「中国ビジネス実務セミナー」第16回が開催となります。

今回、僕は不参加ですが、僕が親しい、森濱田松本法律事務所の江口弁護士、上海華鐘投資コンサルティングの能瀬副総経理が講師で参加しますので、是非、お申込みを!
(同じ事を昨年も書いた様な気が!?)。
あと、中国外貨管理の第一人者、みずほ総研の桑田理事も参加の予定の様です。

ともあれ、3日間で、マクロ・進出・会計・税務・人事の講義が聴け、社内研修、中国ビジネストレンドのアップデートに最適です。
詳細・お申込みはこちら

因みに、今では、家族的に(?)親しくお付き合いをさせて頂いている、日中投資促進機構さんと知り合ったのは、2004年に実務セミナーの講義を引き受けたのがきっかけ。
この実務セミナーに関しては、6年間にいろんな思い出が詰まっている(ここから数行は、多分に内輪ネタなので、読み流してください・・・)。
・インテリジェンスの金さんと一緒に講義を引き受けた時、同じ飯田橋アグネスホテルに
泊まって、前夜飲み歩いて、カラオケでチェッカーズをはもったり。
日本円の請求を人民元と勘違いした金さんがうろたえたり。
・僕のアシスタントに化けた明日香出版の藤田さんが会場に潜入したら、僕と一緒に昼食の招待を受ける事になって社員になりきったり。
・講義後の会食に、豊田さん(当時事務局)&華鐘の能瀬さんと出かけたら、すっかり夜も
更けて辛いのに、弾みがついた豊田さんに延々と飲みに連れられ、苦しいのに深夜ラーメンを食べさせられそうになったり。
・これまた、懇親打ち上げの後沖縄料理屋に行ったら、弾みがついた豊田さんに絡まれたり。
・起業早々の2009年1月、早速実務セミナーに呼んでもらい、久々にあった日中投促の
方々とがっしりと握手したり、肩を抱いて応援されたり。

等等、講義をする方としても、一体感を感じるセミナーだ。


<セミナー日程>
日時:2011年1月26日(水)~1月28日(金)
各日とも9時受付開始受講は、3日間通し、1日単位いずれでも可。
会場:日本自転車会館(東京都港区赤坂1-9-15)  

<1日目>
基調講演1
「中国のマクロ経済動向と今後の見通し」
みずほ総合研究所㈱ アジア調査部中国室 細川美穂子氏
基調講演2
「今後の日中関係の行方~日本企業の対中ビジネスへの影響と展望~」
横浜市立大学名誉教授 矢吹晋氏
「中国への進出・現法設立」
㈱華鐘コンサルティング 取締役コンサルティング部長 楊楽陽氏
法務1「中国企業再編」
露木・赤澤法律事務所 弁護士 赤澤義文氏

<2日目 >
「中国の会計制度」
有限責任監査法人トーマツ シニアマネジャー 公認会計士 佐藤正貴 氏
「中国の税務」
税理士法人トーマツ シニアマネジャー 米国イリノイ州公認会計士 安田和子 氏
「中国の外貨管理、銀行取引の新動向と実務面の留意点」
みずほ総合研究所㈱ 理事 桑田良望 氏

<3日目 >
「中国での人事労務管理に関するQ&A」
上海華鐘投資コンサルティング有限公司 副総経理 能瀨徹 氏
「中国物流事情と実務上のポイント」
山九㈱ 中国事業部 野口奉昭 氏
法務2「中国の実例に基づく法務リスク」
森・濱田松本法律事務所 弁護士 江口拓哉 氏

食べ過ぎだったのか!

先週は亀一と一週間一緒に行動したのだが、意外だったのは、最近、体重増加に悩む亀一は、僕より少食だという事だ。
食事は僕と同じか、却って少ないくらい。
亀一は、酒は自発的には殆ど飲まないので、食事によるカロリーは、僕よりはるかに少ない筈だ。
一応、
清涼飲料水を飲む時は、僕はお茶が原則、亀一は甘い炭酸飲料。
亀一は飴をよくなめているが、僕は一切甘いものを口にしない。
という違いはあるのだが、これは、酒の量の違いで吸収されてしまいそうだ。

思い起こせば、高校2年生の頃、僕は体重が49.5Kgで、太れないのが悩みだった。
そこで、高校3年生になった途端、筋トレをやみくもにやって(スクワット1000回とか)、無理にご飯を食べて体重を付けた。
大学時代(合気道をやっていた頃)のベスト体重は58Kgで、この時は80Kgのベンチプレスを持ち上げる事ができた。
会社に入って、30才くらいで64Kgくらいまで体重が増えたが、3年間ほどボクシングジムに通ったら、体重が56Kgまで落ちた(これは落ちすぎだった)。

その後香港に駐在した途端、生活が不規則で体重が徐々に増え、最高で、68Kgまでいったのではなかろうか。
13年で12Kgも太った事になる。
これを、7月からのランニング(週に4~5回は7Km走る)で、62Kg程度まで絞って安定している。
まあ、食事制限をしていないので、62Kgになった途端に減らなくなってしまったが、おそらく今のベスト体重はこれくらいなのだろうか・・・
あと2Kg落とせば、30才の頃のスーツが着れるので、頑張りたい気はするのだが。

ただ、「子供の頃は太れなくて悩んでいたのに、今では体重が増えない様に気にしなければならない。体質は変わるものだなあ」と考えていたのだが、亀一と行動して考えを改めた。
何の事ない、体質ではなく食べすぎだったのか!?
亀一と一緒のカロリーを取っていれば、明日からでも痩せそうな気がする。


新・加工貿易マニュアル完成!

一部の方は、お待たせしました。
誰もがこぞって必要とする訳ではないのですが(内容が内容だけに、一家に一冊というわけにはいきません)、2007年に出版して好評頂いた加工貿易マニュアルの改訂版がやっとできました。
前作に比べると、かなり完成度が増していると思います(6割以上書き直しました)。

2012年末での來料加工廠制度打ち切りの予測(來料加工打ち切りではなく、加工廠打ち切り)、2011年6月末までの優遇措置享受を想定して、組織転換が本格化してきたので、駆け込みセーフというタイミングでの完成です。

詳細・購入はこちらから

尚、来年1月7日に、JETRO・東莞市政府定期交流会で講演を行うこととなりました。
東莞市政府の來料独資転換に関する発表内容の解説も含めて、講演する予定です。
講演会のお申し込みは、JETRO広州に。

+++書籍案内+++

『変わる! 中国加工貿易の新マニュアル
来料加工廠の外資企業転換と加工貿易企業の運営』 
水野真澄 著

広東省では2012年末を目標に、来料加工廠の外資企業転換の方針が打ち出されるなど、変化の激しい制度の実務面、法務面を網羅しています。
外資企業転換という選択に焦点を当て、操業を止めない転換の手続きをフローチャートで解説!
転廠にかかわる外貨管理、増値税計算方式、加工貿易における保税開発区の活用方法などの具体例を提示。

中国の人件費水準をどう考えるか

中国の人件費は高いのであろうか。
高くなっているし、それは今後も継続するが、現段階では、絶対的に見ればまだ安い、というのが僕自身の感想だ。

中国では、年々賃金の引上げが行われている。
これが、企業の収益力に影響を与えるのは当然であるが、そのインパクトは産業形態によって異なってくる。

製造業の場合、数百人、数千人の工員を抱えざるを得ず、人件費アップの影響は、絶対額として大きなインパクトを持つ。
特に、労働集約産業であれば、中国で発生する付加価値が低い為、次第に、人件費のアップを吸収する余地が無くなってくるのは摂理である。
しかし、製造業であっても付加価値が高い場合、若しくは、中国市場に対する販売であり、人件費の増加を価格に転嫁できる場合は、状況が変わってくる。
何れにしても、給与水準の引上げを中国政府は志向しているが、これは、産業構造の転換を企業内部から進める動きであろう。
つまり、労働集約⇒高付加価値、輸出重視⇒中国市場重視という産業構造の転換を、自ずと図らざるを得ないからである。

賃金が引き上げられていると言っても、現在の最低賃金(地域によって異なる)は、最高水準で1千元ちょっと。
中国沿海部で工員を雇う場合の人件費は(最低賃金以上の水準を設定するとして)、残業代、個人所得税、福利等を含めれば、2.5千~3千元程度となるのであろうか。
これでも3~4万円なので、日本と比較すれば確実に安い。
ただ、1万円/月/人の水準でしか採算が合わない状況であれば、既に、中国で製造を行う事はできなくなっている。
つまり、日本⇒中国と行きついた移転が、さらに人件費の安い地域に移らざるを得なくなる。


一方、サービス業(オフィス勤務)の場合は、求められる人材も変わってくる。
今の中国は、高い教育水準の人材が雇いやすい環境になっている。

現在、大都市で大学新卒を採用すれば、社会保険・個人所得等のコストを含めても、5万円/月/人程度の人件費で採用する事ができる。
日本の4分の1だ。
この価格で採用できる中国の新卒は、(例えば)日本語一級を持っており、すぐに通訳もこなすし、実務経験を除いた能力は高い。
これは、為替の歪み(人民元の過少評価)と物価水準の双方の要因があると思う。
但し、例えばタクシー料金や弁当代金の差(日本では500~700円のものが、中国では10元程度=公定レートで換算すると120円程度)は、為替の要因と品質の差の双方の要因がある。
但し、新卒学生を例に取れば、日中の新卒でこの様な品質差がなく、有るのは給与水準の差だ。その意味では、有利な条件で人材を雇用できる。

どこの国にも、素材として優秀な人材はいる。
但し、国際的な知識・感覚というのは、経済の発展に比例するものだ。
これは、教育環境の整備、海外の教材・情報入手の容易さ、国内の海外企業進出数(外国企業・外国人との接触可否)、海外への渡航経験等が影響を与えるものであり、一定の経済水準になると、その体得が、格段に容易になる。
例えば、国際会計基準や移転価格税制を学ぼうとしても、その材料が入手できない、インターネットアクセスができないという状況では、習得にも限界がある。
一方、この様な教材・情報が、自国語に訳された状態で豊富に入手できる環境であれば、情報自体を(たとえ英語でも)入手できない環境の人材と比べれば、決定的に有利なポジションになる。

米国は日本より早く、日本は中国より早くその環境になっていたが、現在、中国もその様な環境を整えている。
その意味で、今の中国は、コストとパフォーマンスのバランスが良い状況なのではないかと思うのである。

この理由から、設備投資が少なく、人材ノウハウの確保が主流になるサービス産業の場合、中国進出のメリット(日本より安価に優秀な人材を確保できるというメリット)はあると感じている。
これは、物価水準と為替のゆがみ、ソフトインフラの発達と価格への転嫁のラグの恩恵を享受できるからである。

そして、僕の会社自身が、その恩恵を十分に受けていると感じている。

中国は、沿海部と内陸部の格差があるため、物作り部分は、内陸部が吸収できる余地はあるが、沿海部に限定して言うと、世界の工場と言われた物作りの拠点から、ソフト産業への転換が、徐々に進みだしているのではないか。

これは産業構造の変化であり、ソフト産業にとっては有り難く、製造業にとっては歓迎できない環境の変化とは言えよう。
勿論、これは、日本もたどってきた産業構造の変化であるが。

時事通信プロレス同好会

集合写真(リアクションがプロレスファン的)といただいたスナフキン

今回の、グレートカブキの店訪問は、本当は時事通信プロレス同好会の忘年会だったののだが、僕が飛び入り参加した形。
時事通信さんには、4年間連載をさせて頂いているが、今回の宴席で面識があるのは2名の方だけ。
その状況下、あっさり馴染んでしまったのは、同好会の雰囲気に溶け込んだという事であろう。
なにせ、普通の宴席で話すと、マニアックすぎて、周りから孤立してしまいそうなネタを、当然の事とした話す事ができるので心地よい。
「カブキとムタが戦って、血が噴き出した時~」、とか、「馬場が2回目にNWAを取った時~」とか、こういう前ふりをしただけで、聞いてる人が遠ざかってしまう事が多々あるが、ここからちゃんと会話が成立する。

そんなこんなで、僕もプロレス同好会に入会させて頂く事になり、祈念のプレゼントを頂いた。
幹事の野村さんが、僕のブログを毎日読んでくれているという事で、ブログで僕が書いている、自分自身のイメージ(ゲゲゲの鬼太郎の顔をしたスナフキン)に合わせて、記念品を選んでくれた。
スナフキンの貯金箱だ。

時事通信プロレス同好会様。
何から何まで有難うございました。
次回は、プロレス観戦ご一緒させて下さい。
できれば、武藤敬二が動けるうちに、芸術的な動きを目に焼き付けておきたいです!
プロレス同好会の活動内容が、謎のベールに包まれたままですが(って、僕が聞いていないだけ)、プロレス観戦と飲み会なら何時でも乱入します!


グレートカブキの店に行く with 時事通信プロレス同好会

かぶきマークと集合写真

かねてから噂に聞いていた、グレートカブキノ店かぶき(飯田橋)に、時事通信プロレス同好会と行ってきた。
宗澤団長は上海でお世話になった方で、1年ぶりの再会だ。
いろんな意味で嬉しい会だ。

毒霧を噴いているポスターとカブキさんとの手の違い

この会は、数週間前から決まっていたので、日本到着前から「グレートカブキに握手をしてもらうぞ」と、楽しみにしていたが念願も叶い、また、2時間近くプロレス談義を聞かせてもらった。
グレートカブキと言えば毒霧であるが、小さい風船に入れてあって三回噴ける、という興味深い話が聞けた。
あと、キラーカーンが米国に最初に来た時、ラム酒を飲みすぎて酔いつぶれ、吐いていたらバランスを崩して、ガラガラヘビの入る林に転がり落ちていった話など、たいそう面白かった。
夜7時半からの会であったが、ふと気づいたら11時になっていた。
これほど食事を忘れて、話に聞き入った会は初めてだ。

ちなみに、僕と手の大きさはこんなに違う。
鉄の爪エリックは、カブキさんより、更に間接一つ分手が大きいらしい。
そうなると、とても同じ人間の手とは思えない大きさだ。

刺身盛り合わせと牛肉ちゃんこ

話に聞き入って写真を撮り忘れたとはいえ、料理も美味しかった。
刺身の鮮度は十分。
クラゲの刺身がこりこりして美味しい。

ちゃんこは数種類あるけれど、2種類頼んだ。
牛肉のちゃんことカレー味ちゃんこ。
牛肉ちゃんこは、あとでチーズを入れて、リゾット風のおじやにしてくれた。


グレートカブキさんと記念写真

今回は、話に聞き入っていたので、料理の写真を取ったのはこの二枚だけだ。
もう一度いって、しっかり撮ろう。
プロレスファンの方、是非、ご一緒に!
そんな事で、念願かなってカブキさんと記念写真。

中国進出・撤退は是か非か

12月12日(日)~17日(金)の一週間は、香港⇒大阪⇒名古屋⇒静岡⇒横浜⇒東京と移動し、19件の面談をこなした。
なかなか収穫の多い一週間であった。

東京ではメディアの方との面談が多かったので、中国への進出状況などを質問される事が多かったが、政治の状況や日本での報道のニュアンスとは異なって、日系企業の中国進出は、引き続き非常に盛んである。
これは前にも書いたが、日本経済の閉塞感、下請け企業に対するコストカットの要求の厳しさにより、日本で物づくりをする事が、ますます難しくなってきている為である。
つまり、中小企業を含めての国際化は、経済の必然により深化を続けている訳なので、海外進出する自国企業の保護を、日本、中国を問わず、政府機関は心がけるべきだと思う。
経済実態を無視して、政治は語れない筈だ。

因みに、中国に進出する事の意義はどうか(中国進出は是か非か)、という点であるが、これは産業・販路によって異なってくる。
例えば、最終納入地が日本の場合、加工貿易モデル(輸入部材を使用して中国で加工。製品は再輸出)であれば、物流・通関・税金・その他のコストがかかる為、中国沿海部での製造は、日本で製造する場合と比べて3割程度のコスト減である。
業種によっては、ほとんどコストメリットが無くなっている場合もある。
既に、中国で製造する事のコストメリットが無くなってきた様な業界では、中国沿海部で製造を継続する事ができず、内陸部、カンボジア等への移転が行われている。
勿論、これらの場所は、関連政府機関の対応が規範化されておらず、インフラ整備が進んでいない。
よって、コスト・為替・通関などの面でトラブルが生じる可能性は、中国沿海部での製造に比べて相対的に高くなる。
つまり、コスト引き下げ効果の代償として、事業リスクは中国沿海部よりも高くなるが、採算上の理由で、その様な地域に流れざるを得なくなる。


一方、(加工貿易モデルではなく)中国内市場を目的とした場合、つまり、販売先が中国内である場合は、採算性は上記よりも良くなる。
自動車産業の場合等は典型的な例である。
自動車業界等では、メーカーのコストカット要求は、年々厳しくなるため(目標に達すれば、更に引き下げ要求がくる、いたちごっこの様な構造だ)、納入先が中国の場合、日本で製造して貿易形態で部材を供給する事は、コスト面でも納期面でも限界が来ている。
結果、部材メーカーは中国に進出せざるを得なくなる。
現状、自動車関連企業の進出が盛んなのはこの要因であろう。
数ヶ月前に、中小自動車部材メーカーの方が、「2年前には決め切れなかったが、中国に行く腹を決めた。日本に留まれば確実に死ぬ。座して死を待つより、中国進出で50%でも生き残る可能性があるのであれば、行かざるを得ない」と言われていたが、若干の誇張は入っているかもしれないが、現実を踏まえた声であろう。
確かに、海外に出なくては生き残れない国にしてよいのか、という率直な疑問はあるが、企業としては、海外移転を決断する事が、生き残りのための経営努力になってしまっているのが、現状だ。

また、中国で外資参入が制限されていた産業(インターネット、医療、その他)は、これからの規制緩和を踏まえて、日本企業が進出準備を進めている。
この業界は、「今まで外資参入が制限されていたため、競争が少ない」、「製造業と比べ得て必要とされる人材が少数、且つ、高ノウハウ人材。この様な人材は、日本で展開する場合と比較して、中国のコストメリットが十分にある」、「拡大している中国の内需をターゲットにできる」という事で、想定される規制緩和を狙って、進出準備を進める企業が多いし、これからも増えるであろう。

この様に、日本企業と、一括りにする訳にはいかず、販売形態、産業によって、中国に拠点を構築する事の是非は異なってくる。
少なくとも沿海部に限定すれば、中国は、労働集約産業の採算を取るのが苦しい状況になりつつある。
一方、高付加価値、中国内需向け、ソフト産業等にとっては、チャンスがある意味増している。
中国内の産業構造の変化が、この様な転換を促している訳であるが、これは、日本も経験してきたものである。


赤坂飯店の坦々麺

坦々麺スープをかき混ぜる前と後

日本に出張した折は、必ず一度は、赤坂飯店の坦々麺を食べる様にしているが、前回、前々回は、スケジュールが折り合わず、食べられなかった。
そんな訳で、今回は、不退転の覚悟で食べるぞ!、と日本到着前から気合を入れていていた。
17日は、お昼に1時間半の時間があいたので、亀一を引き連れ赤坂飯店本店(赤坂見附)に。

辛いもの好きの僕は、本場(重慶、成都)を含めて、いろいろなところで坦々麺を食べたが、赤坂飯店の坦々麺は、その中で一番おいしいと考えている。

香港・上海に居る時は、翡翠酒店(クリスタルジェイド)の坦々麺をよく食べるが、それに比べると、ピーナッツの味は前面に出てこない。
辛さも若干控えめ。
ただ、あっさりした中にこくがある。
毎日食べてられる味だ。

亀一の好みは、翡翠酒店が一番という事だが、僕の基準では、一番が赤坂飯店、二番が翡翠酒店。

前日の横浜みなとみらいに続いて、二日連続の坦々麺ランチであった。